BMW M サーキットデイ 2010 -Mモデルの魅力-(1/3)
- 筆者: 西川 淳
「特定の技術に縛られる必要はありません。大切なのは何を使っているかではなく、何を達成したいか、なのです。それぞれのキャラクターに応じて新しい技術を貪欲に取り込み、クルマを操る楽しみを追求していきたい。スリルを感じ、ときにはサーキットなどで危険も克服してもらいましょう。そういう実感がMモデルには必要だと思っています」
BMW Mの歴史は、1970年代に遡る。
起源はBMWモータースポーツ社。その名の通り、コンペティションシーンにおけるレース活動が本業で、直接的にモータースポーツ活動を行っていたことが現在におけるM社のひとつの強みになった。80年代にかけて、レース活動と並行してM1やM535i、M635iといった名車を世に送り出す。
80年代末。E30 M3がレースシーンのみならず市販モデルとしても大成功を収めると、熱心な顧客向けのカスタマイズや特別仕様車の開発、ドライビングスクールの運営という具合に、その活動範囲は大きく広がっていった。
もはや“モータースポーツ”の枠組みを超え、中規模メーカーのような存在にまで成長したのだ。
93年、会社名をBMW M社へ。
もちろん、Mはモータースポーツの頭文字であり、DNAとしてコンペティションを忘れないという、それは強力な意思表示でもあった。
今日に至るまでM社は、BMWラインナップをベースに数々の名車を輩出してきたが、それらは単に高性能なだけでなかった。安全性や効率性にも十分配慮されており、今日のBMWラインナップにおける高性能と高効率の両立、すなわち“ダイナミック・エフィシェンシー”の確立に、大いに役立ってきたのである。
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