トヨタ 新型ヴィッツ(2014年4月マイナーチェンジ)新型車解説/渡辺陽一郎(1/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:トヨタ自動車株式会社
新型ヴィッツは、エンジンの刷新とフロントマスクの変更に注目!
2013年に行われた「ホンダ フィット」のフルモデルチェンジに対抗するかのように、トヨタがコンパクトカーの商品力を強化し始めた。
2014年4月14日に行われた「トヨタ パッソ」に続き、4月21日には「ヴィッツ」もマイナーチェンジが図られた。
新型ヴィッツの変更点は幅広いが、最も注目されるのはエンジンの大幅な刷新だろう。ヴィッツは従来から直列3気筒の1.0リッター、直列4気筒の1.3リッターと1.5リッターを設定しており、そのすべてのエンジンに改善が施された。
まずは直列3気筒の1.0リッターから。普通に考えれば、先日発表されたパッソに搭載されている新開発の1.0リッターエンジンがヴィッツにも採用されると思うことだろう。だが、実際にはパッソに搭載された1.0リッターのアトキンソンサイクル(高膨張比)エンジンは新型ヴィッツには搭載されていない。
圧縮比もパッソの1.0リッターが11.5なのに対して、ヴィッツは11.0にとどまった。となれば、従来のエンジンと同様で変更をほとんど受けていないのかといえば、それもまた違う。燃焼の改善や摩擦損失の低減が図られ、圧縮比も従来の10.5に比べれば向上している。パッソほど大幅ではないものの、進化はしているわけだ。
アイドリングストップを備えたヴィッツ 1.0FスマートストップパッケージのJC08モード燃費は「24km/L」。パッソの「27.6km/L」に比べれば値は低いが、ヴィッツは車両重量も60kgほど重く、低燃費エンジンであることに変わりはない。
ちなみに先代ヴィッツと比べた「燃費向上率」としてとらえると、例えばパッソの1.0リッターエンジンは、アイドリングストップ装着車同士の比較で、新型パッソは燃費が「120%」向上している。
対するヴィッツの1.0リッターは、先代ヴィッツにアイドリングストップ装着車が用意されず、新型はこの機能の装着を含めて「115%」向上した。
パッソの場合は販売面では大半が1.0リッターモデルだから、1.3リッターに改善を施さないのも理解できなくはないが、ヴィッツは1.3リッターが主力になるものの、1.0リッターのニーズも相応に高いので、パッソと同じくアトキンソンサイクルを採用し、燃費をさらに向上させて欲しかった。
一方、新型ヴィッツに搭載された直列4気筒の1.3リッターエンジンは、パッソの1.0リッターと同じか、それ以上に内容を刷新している。
2WDモデルはアトキンソンサイクルを採用し、電動式の可変バルブタイミングシステム、大量クールドEGR(排気ガスの一部を燃焼室に環流させる機能)などを用いて、圧縮比は従来型の11.5に対して13.5まで高めた。これによって熱効率も、従来型の35%から38%に向上している。
アイドリングストップは1.3Lの2WD全車に装着され、JC08モード燃費は「25km/L」を達成。従来型のアイドリングストップ付きが「21.8km/L」だったから、向上率は「115%」だ。
そして、こうなると1.0リッターエンジンの立場は辛い。新型ヴィッツの1.3リッターの燃費は「25km/L」だが、排気量が小さく本来は1.3リッターより燃費が良くなければならないはずの1.0リッターの燃費が「24km/L」と1.3リッターより劣ってしまうからだ。
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