ホンダ N ONE 試乗レポート/渡辺陽一郎(1/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
N ONEのモチーフは、とても可愛らしいクルマだった“N360”
「やはりホンダはクルマ好きのメーカーなんだなぁ」と思う。
新しい軽自動車にN ONEという名称を与え、フロントマスクも往年の「N360」風に仕上げたからだ。
「N360」は、オジサン世代のクルマ好きなら誰でも知っているが、いわゆる名車として華々しく語られる存在ではない。そのようなクルマを尊重し、デザインモチーフに選んだところが、いかにもホンダらしい。
「N360」は、軽自動車の排気量が360ccに限られていた1967年に登場した。すでに45年を経過するから、オジサン世代しか知らなくて当然だ。
全長は2995mm、全幅は1295mmだから、今日の軽自動車に比べると400mm短く、180mm狭い。ホイールベースはiQと同じ2000mm。全高は1345mmだから、86やフェアレディZよりも少し高い程度。とても可愛らしいクルマだった。
ホンダが“N360”にこだわるワケ
ホンダが「N360」にこだわるのは、ホンダとしては最初の本格的な乗用車だったからだろう。
最初の4輪車は、ツインカムエンジンに4個のキャブレターという当時としては(今でもか?)物凄いエンジンを積んだ軽トラックのT360。これに続くのがスポーツカーのS500だったが、一般ユーザーに向けて大量に売れる車種ではない。その意味で、4輪乗用車への本格参入は「N360」が最初になるわけだ。
中身も凄かった。45年も前にエンジンを横向きに搭載した前輪駆動を採用。きわめて小さなサイズながら、当時の軽自動車としては広い室内を備え、4名乗車を可能にしていた。ホンダは長年にわたって空間効率の優れたクルマを造り続けているが、その原点は「N360」となる。
さらに走りの良さも併せ持つ。
エンジンは空冷による直列2気筒のシングルカム。総排気量は345ccだったが、最高出力は31馬力(8500回転)、最大トルクは3.0kg-m(5500回転)に達した。1L当たりの最高出力は88馬力、2Lなら176馬力。かなりのハイチューンエンジンだ。
初期の前輪駆動車だから運転感覚が難しい面もあったが、31.5万円の低価格と相まって、若年層の憧れのクルマとなった。ちなみに同じ1967年に登場した3代目の510型ブルーバード4ドア1300DX(デラックス)は64万円になっている。
オジサン世代の筆者としては、「N360」をモチーフにしたN ONEには一抹の郷愁が感じられ、やや複雑な思いで試乗を開始した。
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