e-POWERの搭載により国産乗用車トップレベル低燃費を実現した日産 新型ノートを徹底解説!(1/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
ハイブリッド仕様の“e-POWER”により、ノートも国産乗用車トップレベルの低燃費を達成
今の日本車で売れ行きが好調なカテゴリーは、軽自動車を除いた小型&普通車ではコンパクトカーになる。居住性、走行性能、安全装備などが進化して、以前に比べると不満を感じにくい。
装備やメカニズムの充実によって、カテゴリーを問わずクルマの価格が全般的に高まった事情もある。以前はホンダ アコードなど1.8リッタークラスのミドルサイズセダンが180万円前後で買えたが、今は200万円以下のセダンは少数に限られる。
クルマの価格が高まる一方で、日本人の平均所得は1990年代の中盤をピークに一貫して下がり続けているから、小さなクルマに代替えする「ダウンサイジング」が生じるのは当然だ。
この市場動向からも注目されるのが、2016年11月2日に発売された日産 ノートe-POWER。ノートのハイブリッド仕様で、JC08モード燃費は、売れ筋のe-POWER・Xと同メダリストが34km/L、軽量化を図って数値を向上させたe-POWER・Sが37.2km/Lになる。
ちなみにトヨタ プリウスの燃費は、ミドルサイズの3ナンバー車でありながら売れ筋グレードが37.2km/L、燃費スペシャル的なEは40.8km/Lだ。トヨタ アクアは全グレードが37km/L。ホンダ フィットハイブリッドは売れ筋グレードが33.6km/Lになる。
トヨタ プリウスの優れた燃費効率は別格だが、ノートe-POWERも国産乗用車ではトップレベルの低燃費を達成した。
アクセル操作だけで速度調整が幅広く行え、ブレーキペダルヘの踏み換え回数は約70%減
走行モードの切り替え機能も備わる。丸型のATレバーには通常の走行で使うDレンジと、アクセルペダルを戻した時の回生(駆動用モーターで発電して駆動用電池に蓄える)と減速力が強まるBレンジを設定した。
さらにスイッチ操作で、ノーマル/S/ECOの走行モードを切り替えられる。Sモードでは加速が力強く、アクセルペダルを戻した時の回生と減速力も、ノーマルモードのBレンジ以上に高い。
ECOモードは加速を穏やかにして電力消費を抑え、アクセルを戻した時の回生と減速力はSモードと同様に強い。
そしてS/ECOモードでは、回生と減速力が強いので、アクセル操作だけで速度調節が幅広く行える。
例えば信号で止まる時、通常のクルマではアクセルペダルを完全に戻し、ブレーキペダルを踏んで停車する。それがe-POWERでは、アクセルペダルを戻しただけで大きな減速力(最大では通常のエンジンブレーキの約3倍)が働くから、ブレーキペダルへの踏み換え操作は停止寸前に行う感覚だ。
アクセル操作をデリケートに行う必要はあるが、慣れると運転しやすく、減速エネルギーを熱に変換して大気に放出するディスク/ドラムブレーキをほとんど使わないから効率が高い。ブレーキパッドの摩耗も抑えられる。市街地走行を想定したテストデータによると、ブレーキペダルの踏み換え回数が約70%減ったという。
安全確保のために、減速度が0.1Gを超えると、フットブレーキを使わなくてもブレーキランプが点灯する。なお同様の運転は、三菱 アウトランダーPHEVやBMW i3などでも可能だ。
エンジンが発電機を作動させ、モーターを駆動して走るe-POWERの機能は、シリーズハイブリッドに位置付けられる。日本車ではホンダ アコード/オデッセイハイブリッド、三菱 アウトランダーPHEVが同様の方式になる。
この3車種では、高速巡航時には効率を高めるためにエンジンがホイールを直接駆動する場面もあるが(直結式でトランスミッションは備わらない)、e-POWERはこの機能を省いた。直接駆動を設けると燃費は向上するが、価格も高まるからだ。
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