トヨタ パッソ 試乗レポート
- 筆者: 松下 宏
- カメラマン:原田淳
トヨタとダイハツが共同で開発したコンパクトカー「パッソ」
トヨタとダイハツが共同で開発したコンパクトカー。基本的なコンセプトワークなどはトヨタが担当し、実際の開発作業や生産はダイハツが担当する。トヨタにとってはベーシックラインを受け持つモデルで、ボディの全長はヴィッツに比べて短いが、ロングホイールベースと合理的な設計によってヴィッツより広い室内を持つのが特徴。小さなボディながら衝突安全性能は高いレベルにあり、排気ガス性能も★★★★とするなど、安全や環境に配慮したクルマ作りも徹底されている。搭載エンジンは新開発の直列3気筒1リットルと4気筒1.3リットルの2機種。3気筒エンジンはヨーロッパでの販売なども視野に入れた戦略的な新エンジンだ。全車に電子制御4速ATのECTが組み合わされる。1リットルはFFと4WDの設定があり、1.3リットルはFFだけの設定となる。1リットルエンジンの搭載車には軽自動車並の低価格が設定されており、価格的な手頃さからも注目される存在である。
好感が持てるシンプルなデザイン
左右に張り出した前後のフェンダーが一定の存在感を表現しているが、外観デザインは全体にシンプルな印象。女性ユーザーを対象にしたモデルながら、可愛らしさばかりを追求したデザインとはしていない点に好感が持てる。とはいえ、全体に地味なデザインであるのは否めず、もう少し存在感を主張してほしいところ。そうしたほうが、より強くこのクルマを欲しいという気持ちにさせるだろう。インテリア回りのデザインはさらにシンプルな印象で、運転席に座ると軽自動車に乗っているような気分になる。単にデザインだけの問題ではなく、インテリア回りの品質感や見栄えなどに関しても、もう一段高いレベルを望みたい。パネルの合わせ目など作り込みの部分にも不満がある。逆に室内空間の広さは十分なもので、後席にも大人がしっかり座れるだけの広さが確保されている。小物入れなどの収納スペースも十分に確保されていて、使い勝手などにも不満はない。
ショックの少ない滑らかな変速はお見事
まず注目されるのは新開発の1リッターエンジンだ。直列3気筒という奇数の気筒数は振動や騒音などの面で不利になる。この新開発エンジンも4気筒エンジンに比べたら振動や騒音は大きめだが、3気筒エンジンとしてはまあ良くできていると思う。特に騒音はともかく振動はうまく抑えられている。これは電子制御4 速ATの変速フィールの良さと合わせてのもの。アクセルを全開にして加速したときでも、ショックの少ない滑らかな変速を実現する。このフィールは本当に好感の持てるものだ。それに比べると1.3リッターエンジンはやや特徴に欠ける感じ。排気量が大きい分だけ走りには余裕があるが、特にパワフルだったりスポーティだったりするワケではなく、ごく平凡なエンジンという印象だ。足回りは柔らかめのチューニングでコーナーなどではそれなりにロールするが、ロールそのものはゆったりとしたもので、安定感とのバランスもとれている。
軽自動車並みの価格も大きな魅力
基本的には低価格のコンパクトカーで、女性ユーザーが主なターゲット。一家のセカンドカーとして使われることも多いと思う。軽自動車ではちょっと小さすぎるのでもう少し余裕が欲しいと考えるユーザーには絶好のモデルになりそう。後席にも十分な広さがあるし、チャイルドシートを固定するISOFIXが全車に標準で装備されているので、子供乗せて移動することの多いヤングミセスにも適している。価格的に軽自動車と直接競合するくらいの低水準に抑えられているのも大きな魅力だ。ただ、インテリア回りを中心に、見栄え感、品質感などの面ではもう一歩という印象があるほか、1リッター騒音レベルが気になるという人がいるかも知れない。クルマとしての基本性能や実用性、機能性には文句がないので、無印良品的なイメージの普通に良くできたクルマとして選ぶことができるが、価格が安い分だけある程度は割り切って購入することも要求される。
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