ダイハツ タントエグゼ 試乗レポート/竹岡圭(2/2)
- 筆者: 竹岡 圭
- カメラマン:小平寛
軽量化による好燃費と軽快なフィーリング
では、タント エグゼの走りは、ユーザーの期待通りになっているのか・・・?
まず走り出しでまず驚かされたことは、あきらかに軽いっ!
というのも、実はオリジナルのタントと比べて実際に60kgも軽くなっているのである。Bピラーレスのスライドドアからヒンジドアにすることで約30kgの軽量化。Bピラーレスのメリットを最大限生かすように作られていた助手席シートなどを、通常のシートにするなどで約20kg。そのほか車高を低くしたり、細かい見直しなどで約10kg程軽くなっているのだ。
燃費のほうも、合計60kgの軽量化が功を奏し、21.5km/Lの好燃費を達成。これは、タントの燃費が発売当初は20.5km/L、その後の改良で21.0km/Lとなった燃費をさらに上回る数値です。
つまり、タント エグゼの誕生を望んでいたユーザーにとって、まずひとつの希望が叶ったと言っていいだろう。
もちろん実際の燃費もそうだが、なによりその軽さをフィーリングとして体感できるのは、乗っていて気持ちがイイ。街中ではもう文句なしのパワフルさなのだが、たとえNAモデルといえども高速道路の流れにも余裕で乗って行けるから、安心感もある。
ちなみに、タントエグゼカスタムにはターボモデルも用意されていて、こちらは軽自動車のカスタムというわかりやすさを備えたルックスにブラックの内装と、全身で力強さを表現している。
もちろん、タントエグゼカスタムのルックスは欲しいがパワーはNAで十分、という方にもピッタリなグレードも用意されている。
さて、走行フィーリングに話を戻すが、ハンドリングは予想以上にキビキビしている。ダイハツ ムーブコンテやミラココアなど最近のモデルが、エントリーユーザーを対象におっとりしたテイストに仕上げられているのに対して、タントエグゼはステアリング操作がリニアに動く設定になっていると言えばいいだろうか。
特にNAモデルは、ロールしそうで怖いっ!と感じるような出方ではなく、あくまで自然な感触で心地イイ。ただ、そのキビキビしたフィーリングのせいか、乗り心地は路面によってちょっとコツコツ感を感じることもある。
とはいえ、毎日の普段使いでツライと感じるほどではまったくないので、目をつむれる範囲だろう。
大人向けと言い切ってしまうと、やや中途半端な感じもするが、逆にこの中途半端さが多くの人に受け入れられやすいポイントなのかもしれない。いずれにしろ、これは人気がでそうな1台だ。
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