ボルボ V50 試乗レポート

  • 筆者: 松下 宏
  • カメラマン:島村栄二
ボルボ V50 試乗レポート
フロントスタリング リアスタイリング フロントビュー リアビュー サイドビュー インパネ フロントシート リアシート ラゲッジスペース シートアレンジ グローブボックス 画像ギャラリーはこちら

“R”とはレーシングではなく、リファイン(洗練)の“R”である

試乗
フロントスタリングリアスタイリング

ボルボは、2007年に5車種を投入するという大々的な新型車攻勢をかけたが、2008年は新型車の投入がないため、限定車などを設定して販売の底上げを図る計画だ。S40や、2007年に投入したばかりのC30、このV50の“R-DESIGN”と呼ぶ限定車を設定したのはその典型だ。

“R”が付くモデルは850時代のT-5Rをはじめ、いくつかのモデルが過去にあった。いずれもスポーティな仕様を施したモデルだったが、必ずしもレーシングを意味するRではなかった。今回の“R-DESIGN”もレーシングではなく、リファイン(洗練)を意味する“R”として作られている。

“R-DESIGN”は3月31日までの限定販売とされている。ボディカラーを自由に選びたいなら3月中のオーダーが必要だ。ただ、4月以降もボルボ・カーズ・ジャパンが見込みで輸入したモデルが残っていれば、それを買うことができる。

スポーティでスタイリッシュなスカンジナビア・デザイン

フロントグリル
インパネフロントシート

“R-DESIGN”を名乗るだけに、外観デザインはスポーティかつスタイリッシュに仕上げられている。マットクロームのフロントグリルの内側には“R-DESIGN”のロゴが配置され、ほかに前後のスポイラーやサイドスカートなどのエアロパーツが装着されて標準車との違いを際立たせている。ボルボオーナーが見れば、ひと目で違いが分かるだろう。

インテリア周りにも専用のデザインや仕様がいろいろと用意されている。まず、目につくのはシートで、スムースレザーの本革とV-Flexと呼ぶ新素材を組み合わせたコンビネーションシートとされている。この新素材は手触りが良い割に滑りにくく耐久性も高いという。横方向のホールド性にも優れたスポーティな印象のシートだ。

ステアリングホイールは、手になじむ専用の形状をした本革巻きで、アルミのアクセントが加えられている。同様にシフトノブもアルミのアクセント付きだ。ボルボの特徴とも言えるフローティングセンタースタックもアルミ製とされ、表面には水の波紋が広がるようなデザイン処理がなされている。

装備面ではキーレスドライブ(スマートキー)、専用のオーディオシステム、メーターパネル、フロアマット、スポーツペダルなどが用意されている。カーナビはオプション設定となる。

スポーツサスペンションを装着した“R-DESIGN”は実力充分

エンジンシフト

走りに関してはパワートレインは標準車と共通だが、足回りの仕様が変更されている。専用にチューンされたコイルスプリング、ショックアブソーバー、ブッシュなどのスポーツサスペンション、タイヤ&アルミホイールも17インチにサイズアップされる。また2.4iとT-5の2モデルが用意されるうち、T-5は標準車がAWDだが、“R-DESIGN”ではFF車とされている。

スポーツサスペンションを装着した“R-DESIGN”だが、乗り心地は決して悪くない。路面に段差のあるようなシーンでは多少の突き上げを感じるが、コーナーなどでは緩やかにロールして乗り心地もスポイルしていない。標準車に比べて好ましい硬さの足回りという印象だった。

2.4iに関しては、125kW/230N・mというパワー&トルクの数値は標準車と変わらない。これに電子制御5速のギアトロニックATが組み合わされている。全体的な動力性能ではターボ仕様のエンジンを搭載したT-5には及ばないものの、実用域でのトルク感に優れた自然吸気エンジンも十分に良く走る。

日頃からこのエンジンを搭載した標準車に乗っているので良く分かるが、しいて言えば室内騒音がやや大きめな程度で、実力的には十分なレベルにある。市街地での日常ユースから高速クルージングまで過不足のない走りを示してくれる。

お得な“R-DESIGN”は、将来的なリセールバリューでも有利

タイヤ&アルミホイール試乗

V50“R-DESIGN”の価格はV50 2.4iで見ると、標準車の399万円に対して33万円高の432万円の設定。T-5ではAWDからFFに変わることもあって逆に2万円安の488万円設定となる。もしも“R-DESIGN”に採用されているような仕様をオプションで装着するとしたら、定価ベースで計算するとざっと70万~80万円くらいになると思われる。それが33万円高の設定であるなら、40万~50万円くらいは買い得な印象である。

“R-DESIGN”が販売されている今の時点で考えたら、標準車を買うのではなく、積極的にRデザインを選んだほうが良いだろう。将来的なリセールバリューでも“R-DESIGN”が有利になるはずだ。

2.4iとT-5のどちらを選ぶかは難しいところだが、スポーティな走り志向のユーザーならT-5で、一般のユーザーには2.4iで十分と考えたら良い。市街地から高速道路まで、フレキシブルな実力を発揮するのが2.4iだ。

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

松下 宏
筆者松下 宏

自動車そのものはもとよりクルマに関連する経済的な話題に詳しい自動車評論家。新車、中古車を含めてユーザーサイドに立った的確な購入アドバイスを語ることで定評がある。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

新車・中古車を検討の方へ

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

ボルボ V50の最新自動車ニュース/記事

ボルボのカタログ情報 ボルボ V50のカタログ情報 ボルボの中古車検索 ボルボ V50の中古車検索 ボルボの記事一覧 ボルボ V50の記事一覧 ボルボのニュース一覧 ボルボ V50のニュース一覧

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる