世界中でトヨタ新型「C-HR」の評判がウナギ上り!日本のライバル対抗策も満載(3/3)
- 筆者: 桃田 健史
- カメラマン:トヨタ自動車
新型C-HRの「使い勝手」「荷室の広さ」もキモ
では、アメリカではどうか?結論から言うと「C-HR」が属するアメリカン・コンパクトのセグメントでは、3ドアハッチ、または後席が狭い5ドアハッチは人気が低い。
その代表例が、ホンダの第二世代「インサイト」だ。同車の発売当初、ホンダの開発担当者はアメリカ市場に対する期待を高めていたが、筆者が当時気になったのは「荷室の狭さ」だった。アメリカ人にとって、5ドアハッチでは「相当な荷室容量があるのが当然」という意識が強い。ホンダはこうしたアメリカ人の常識を、デザイン性や空気力学を強調することで打破しようとしたが、結果的に失敗したという苦い思いがある。
この常識は、クロスオーバーでも同じはずであり、アメリカ人好みの外観デザインであるとはいえ、「C-HR」に対する「使い勝手」を、アメリカ人は強く求めてくると思う。また、ガソリン価格の安値安定も「C-HR」にとって逆風となる。アメリカでは過去の統計で、ガソリン価格の上昇とハイブリッド車の販売数の上昇が連動する。
現在、アメリカでのガソリン小売価格は1ガロンあたり2ドル強(リッター換算で60円程度)。プリウスでも販売が伸び悩んでいるいま、「C-HR」の北米市場の投入タイミングが難しい。
C-HRが最もダイレクトに刺さるのは、やはり「日本」
さらに、世界最大の自動車市場・中国だが、上海や北京などの都会でSUVやクロスオーバーの人気が高まっており、「C-HR」が人気車になるチャンスはある。ただし、ハイブリッド車については、EVやプラグインハイブリッド車のように国の購入奨励金の設定がなく、プリウスの販売台数が極めて少ないという厳しい状況。
そのため、1.2リッターターボ車の方に勝算があるかもしれない。こうして世界市場における「C-HR」の販売拡大の可能性を見てみると、商品としてユーザーの心に最もダイレクトに刺さるのは、日本になるだろう。
キーワードは「クール・ジャパン」だ。「東京ライフ」や「大阪ライフ」、さらには「京都ライフ」など、都会派ユーザーのジャパニーズ・ライフサイクルのなかで、「C-HR」がどのように馴染んでいくのか?そうした情報が世界にどのように発信されるのか?
日本発信のカルチャー・アイテムとして、世界がいま、「C-HR」に注目している。
[Text:桃田健史]
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