トヨタ ハイラックス/フォーチュナー 試乗レポート(3/3)
- 筆者: 松下 宏
新興国で「高級車」として販売されているフォーチュナーの実力は?
今回は、4リッターV型6気筒のガソリンエンジンを搭載したハイラックスDキャブのほか、3リッター直列4気筒のディーゼルエンジンを搭載した「フォーチュナー」にも試乗した。
「フォーチュナー」は、見るからにSUVらしい外観スタイルで、タイでは高級車として扱われているクルマだ。
最近のバンコク市内ではあまり見かけなくなったが、タイでは地方に行くとトラックの荷台に人を乗せて走ったり、あるいは荷台部分を改造して座席を設けたようなクルマがたくさん走っているが、それらとは一線を画すクルマとして作られている。
そのためフォーチュナーのユーザーは、立派な一戸建て住宅に住む年収の高い企業経営者や大企業の管理職などが中心になるという。試乗した3リッター直噴ディーゼルエンジンを搭載した最上級グレードでは販売価格が150万バーツになる(ざっと換算しても450万円位)。所得水準の違いを考慮すると、相当な高級車である。
このため、外観デザインも高級感とSUVらしい力強さを表現したものとされている。
フロント回りは、プロジェクターヘッドランプやボンネットフード上のインタークーラー用のエアインテークなどが特徴的。試乗車には17インチのアロイホイールが装着され、ハイマウントストップランプ付きのリヤスポイラーなども装備されていた。
フレーム付きシャシーのフルタイム4WD車であるため車両重量は2トン級となってしまいかなり重いが、余裕のトルクによって力強い走りが得られる。吹け上がりのフィールもまずまずのものだ。
振動や騒音はそれなりに大きい。振動のレベルは乗用車用ではなくSUV用といったイメージだし、騒音は走行中の室内騒音はともかく、車外騒音はいかにもディーゼルのものだ。
やや硬めの乗り心地は決して悪くはないが、ステアリングのフィールなどは乗用車というよりはトラックの感覚。シャープなステアリングフィールにすれば良いというわけではないが、もう少しあいまいさを消して欲しい感じだった。
大柄なSUVボディや、ピックアップトラックのため最小回転半径がやや大きめになるのは仕方ないところ。もし日本で使うとなった際には、取り回しに苦労するシーンが多くなることだろう。
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