トヨタ ランドクルーザー70の納期は3年? 再販価格は480万円でどこが進化した?

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:トヨタ自動車/MOTA編集部

ランドクルーザー70のレビュー・評価

外観

4.0

★★★★☆

内装・居住性

3.0

★★★☆☆

走行性能

5.0

★★★★★

運転のしやすさ

2.0

★★☆☆☆

乗り心地

3.0

★★★☆☆

燃費

4.0

★★★★☆

価格の割安度

2.0

★★☆☆☆

ランドクルーザー70の良い点

・悪路の走破力は数あるオフロードSUVの中でも最高水準

・クリーンディーゼルターボエンジンは実用回転域の駆動力が高い

・直線基調の外観はシンプルでカッコ良く視界も優れている

× ランドクルーザー70の気になる点

・ランドクルーザープラドに比べて価格が割高

・最小回転半径は6.3mと大回りになる

・サイド&カーテンエアバッグや運転支援機能が非装着

ランドクルーザー70が大きな改良をしていない理由とは?

ランドクルーザー70は、ランドクルーザーシリーズの中でも特殊な存在です。1984年の発売以来、フルモデルチェンジを行わずに、改良を加えながら生産を続けてきました。

フルモデルチェンジをしていない理由は「変えないで欲しい」という顧客の根強いニーズがあるからです。ランドクルーザー70は、海外の激しい悪路を中心に使われます。その中には万が一立ち往生すると、乗員の生命に危険が及ぶ地域もあります。

仮にフルモデルチェンジを行って、内装の質や乗り心地が大幅に向上しても、パーツが変更されたことにより故障が起こり、悪路のどこかで立ち往生する危険が生じたら本末転倒です。そのために「変えないで欲しい」とユーザーから希望されるのです。

またランドクルーザー70は、販売店や整備工場のない未開拓の地域でも使われます。そのような使用環境では、ユーザーは自分で修理の知識と技術を身に付け、各種のパーツもそろえて点検や修理も行います。

フルモデルチェンジすると、新たに修理方法を勉強したり、パーツを揃えたりしなければなりません。その意味でも「変えないで欲しい」わけです。

ランドクルーザー70は1ナンバーから3ナンバーへ

ランドクルーザー70は、日本では1984年にバン仕様を発売した後、1990年にはワゴン仕様を加えて、これが初代ランドクルーザープラドになりました。

この後、ランドクルーザープラドは独自に発展してランドクルーザー70は再びバンに戻り、2004年に国内販売を終えました。

その一方でランドクルーザー70は海外では販売を続け、2014年8月には「2015年6月30日の生産分まで」という条件付きで国内販売が一時的に再開されました。

この時の仕様は、V型6気筒4Lガソリンエンジンを搭載する1ナンバーの商用車で、バンに加え、従来は国内で扱わなかったダブルキャブ(シートが2列で4ドア)のピックアップトラックも加わりました。

そして改めて2023年11月に復活したランドクルーザー70は、機能が幅広く刷新されています。

ランドクルーザー70のグレードはAXのみで、3ナンバー車として登録されるワゴンです。2014年に国内販売が一時的に再開された時は1ナンバーの商用車だったので、カテゴリーが変わりました。

ランドクルーザー70のボディサイズ

ランドクルーザー70のボディサイズは、全長4,890mm×全幅1,870mm×全高1,920mm、ホイールベース2,730mmです。ボディサイズは2014年8月から1年限定で復刻された以前のモデルと全長のみ異なります。

2023年再販モデル2014年再販モデル
全長

4,890mm

4,810mm

全幅

1,870mm

1,870mm

全高

1,920mm

1,920mm

ホイールベース

2,730mm

2,730mm

最低地上高

200mm

200mm

ランドクルーザー70のエンジン|プラドと同じクリーンディーゼルターボを搭載

ランドクルーザー70のエンジンはランドクルーザープラドにも搭載される直列4気筒2.8Lクリーンディーゼルターボの1GD-FTV型で、最高出力は204馬力(3000〜3400回転)、最大トルクは51kg-m(1600〜2800回転)です。

最大トルクは4.5〜5Lのガソリンエンジン並みに強力。そのトルクが低回転域で発揮されるため、悪路の走破でも優れた効果が得られます。

この性能の数値もランドクルーザープラドと同じです。

ランドクルーザー70の4WDシステム|装備は現行法に適した改良を追加

ランドクルーザー70の4WDシステムは、従来型と同じパートタイム式です。

カーブを曲がる時に前後輪の回転数を調節するセンターデフなどは装着されないため、4輪駆動の機能は悪路のみで使います。

舗装路では基本的に後輪駆動の2WDで走ります。悪路で駆動力を高める副変速機も備わり、トランスミッションは6速ATに進化しました。

そして今は装着が義務化された横滑り防止装置、アクティブトラクションコントロール、さらにダウンヒルアシストコントロールなども備えられています。

ダウンヒルアシストコントロールとは、4輪のブレーキを独立制御して、エンジン出力も自動調節することで、滑りやすい下り坂でも安定して走破できる機能です。

このほか前後のデファレンシャルギアをロックする機能(デフロック)も標準装着されています。

前輪のデフロックは、摩擦の高い路面で使うなど扱い方を誤ると破損する危険もありますが、滑りやすい極悪路面では優れた効果が発揮されます。

前輪のデフロックは、ランドクルーザー70の性格を端的に示した装備といえるでしょう。

ランドクルーザー70の安全装備|衝突被害軽減ブレーキを搭載

ランドクルーザー70の安全装備も進化しています。

衝突被害軽減ブレーキは、歩行者や自転車も検知します。自車が右左折する時は、直進車両や横断歩道上の歩行者にも対応します。

ランドクルーザー70の安全装備は充実させましたが、ランドクルーザー(300)やランドクルーザープラドと異なり、車間距離を自動制御するクルーズコントロールなどの運転支援機能は備えていません。

この機能の取捨選択も、悪路の走破力を重視するランドクルーザー70らしいです。

ランドクルーザー70の内装(インテリア)|基本のデザインは従来型と同様

4WDシステムや安全装備は進化した一方で、ランドクルーザー70のインパネなどのデザインは従来型と同様です。

2014年に販売を再開したタイプと比べると、ATレバー付近の形状は変わりましたが、オプション設定されるカーナビ画面の位置関係などは踏襲されています。

9インチサイズのナビ画面が少し低い位置に装着されています。

ランドクルーザー70の装備|走行性能や安全性が向上

ランドクルーザー70のシャシーやサスペンションも、基本的には1984年に発売された時と共通です。

ただし、前述の通り走行性能や安全性を高める各種の装備、エンジン、ATなどは刷新されています。そうなるとシャシーにも、必然的に改善が加えられているでしょう。

ランドクルーザー70の価格|480万円は妥当?

ランドクルーザー70の価格は480万円です。

2014年にランドクルーザー70が販売を再開した時の価格は、バンが360万円で、ダブルキャブのピックアップトラックは350万円でした。

2014年のバンと比べて120万円の値上げは、比率に換算すると1.3倍に達します。

現行型のランドクルーザープラドに当てはめると、ランドクルーザー70と同じ2.8Lクリーンディーゼルターボを搭載するTX・Lパッケージ(5人乗り)の483万9000円とほぼ同額です。

ランドクルーザープラドTX・Lパッケージには、フルタイム4WDが搭載され、車間距離を自動制御するレーダークルーズコントロール、サイド&カーテンエアバッグ、電動調節の可能な本革シートなども標準装着されています。

これらの装備の違いを考えると、ランドクルーザー70は、デフロックの標準装着などがあるものの、ランドクルーザープラドに比べて割高です。つまりランドクルーザー70は、悪路の走破に特化した個性的なSUVに位置付けられます。

それでも1980年代から1990年代にランドクルーザー70や当時のパジェロなどを運転した経験のあるドライバーは、懐かしい魅力を感じるでしょう。

クルマの運転感覚は体が覚えていて、当時生産されていた車種を運転すると、30〜40年前のいろいろな記憶が蘇ります。

ベテランドライバーの皆さんが運転されると、時間を遡るような、不思議な感覚を味わえるかもしれません。

ランドクルーザー70の納期と販売方法|納期は3年以上! KINTOでの取り扱いも

そうなるとランドクルーザー70の納期も気になりますが、販売店では以下のように返答されました。

「受注台数が予想以上に多く、今のところ購入は困難です。販売会社への割り当て台数が限られ(全国の1か月当たりの販売基準台数は400台)、率直にいえば、今までランドクルーザーでお付き合いのあるお客様へ優先的に販売しています。メーカーからは納期は3年以上といわれました」。

その一方で、ランドクルーザー70は定額制カーリースのKINTOでも取り扱いを開始しており、この納期は1年以上です。

ただしKINTOはリースなので、契約期間が終了すれば車両を返却しなければなりません。所有権をユーザーに移す購入はできません。盲導犬を含めて動物の同乗も許されず、制約が多いです。

最近のトヨタ車には、アルファードやヴェルファイアも含めて、KINTOだけが受注をしている車種が散見されます。もう少し購入しやすくなると良いですね。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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