トヨタ クラウンマジェスタ 試乗レポート
- 筆者: 松下 宏
- カメラマン:原田淳
トップ・オブ・トヨタとなるクラウンマジェスタ
今年の秋からクラウン・マジェスタの位置づけが変わる。トヨタ店やトヨペット店で販売するセルシオは9月にはLS460に移行する予定で、すでに事実上販売中止の状態にあり、それを踏まえてマジェスタのマイナーチェンジが行われた。
この秋以降は、トヨタブランドからセルシオがなくなるため、トヨタブランドの最上級車、トップ・オブ・トヨタの役割をマジェスタが担うことになる。マジェスタは従来も、世界中のマーケットを対象にしたセルシオに対し、国内市場専用モデルの最上級車としての役割を担ってきたが、今後はその役割がさらに重くなることとなる。
セルシオとクラウン・ロイヤルサルーンとに挟まれて、やや窮屈な立場にあったのが従来のマジェスタだが、これからはトヨタブランドの最上級車として伸び伸びしたクルマ作りが目指されることになる。その第一歩を踏み出したのが今回のマイナーチェンジだ。
重厚感がアップ
今回のマイナーチェンジでは内外装のデザインを中心に変更が加えられた。フロントではグリルのデザインが従来の横桟型から縦型に変更されるとともに、グリルの内側部分にも細かな細工が施され、より高級感のあるデザインに仕上げられた。さらにバンパーの形状も変更されることなどによって、堂々たる風格を感じさせるデザインになった。
このほかパッと見ただけでは分かりにくいが、ヘッドランプやリアコンビネーションランプのデザインも変更されている。
インテリアもインパネやシート表皮のカラーや素材が変更され、より高級感のあるものにした。Cタイプ系に専用のプレミアムレザーシートやインダッシュ6連奏DVD/CDチェンジャーなどを装備したFパッケージが設定されたのも、今回の変更の特徴だ。
装備関係ではクリアランスソナーをステアリング感応式としたほか、オートエアコンに花粉除去モードを備えるなど、装備の充実化を図っている。
細かい改良は走りにも
今回のマイナーチェンジでは基本メカニズムの部分は特に変更を受けていない。先のフルモデルチェンジのタイミングで盛り込むべき要素はほとんど盛り込んでいるので、今回はさらに追加すべきものがなかったという。それでも、後席側を中心にサスペンションのチューニングを煮詰めることで、パッセンジャーの乗り心地を向上させるなど、細かな改良が加えられている。
今ではトヨタ車の特徴として完全に定着するところとなった静かでスムーズな走りは、新しいマジェスタでも健在である。4.3LのV型8気筒エンジンは低速域ではとても静かに滑るような走りを実現し、そこからアクセルを踏み込んで行けば実に力強い加速を示す。重量級のボディをぐいぐい押し出す、高級車らしい堂々とした感じの走りだ。
エアサスが生み出す運転席回りの乗り心地は従来からとても良いもので、後席の乗り心地の改善は運転しているときには実感できなかったが、乗り心地に不満はない。
名実ともに日本国内では最高峰
今回のマイナーチェンジはともかく、今後のマジェスタがどうなるかが大いに注目される。トヨタブランドからセルシオがなくなったことで、マジェスタはトヨタの最上級車としてのクルマ作りをすることになるが、これまで以上にLS460との味付けの違いを明確なものにしなければならないからだ。
さらにクラウンに対しての違いをどれだけ設けるかにも興味が持たれる。場合によっては次期モデルではクラウンマジェスタからマジェスタに変わることも考えられるだけに、余計にそう感じられる。
それはともかく、今回のマジェスタに試乗して感じたのは、速度域の低い日本の交通環境にとても良くマッチしたクルマということだ。超高速での走りを考慮に入れたヨーロッパ車とは明らかに異なる乗り味を持っていて、日本国内で乗るにはこんなに快適で楽ちんなクルマはないと言っても良い。正に日本市場向けの最高級車といえる。
愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!
-
一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?
これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。
-
一括査定は本当に高く売れるの?
これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。