トヨタ86 カスタマイズ大作戦 その8 with TOM'S ~ミシュラン パイロットスーパースポーツと純正プライマシーHP タイヤ乗り比べ~(2/3)
- 筆者: 今井 優杏
しかも転がり感も非常に高く、信号停止までの距離合わせなどでアクセルをオフにし、惰性で走らせるとき、思ったよりも遠くまで車速が落ちずに転がります。なんだかクルマ全体が軽くなったように思えるくらい!
正直、「もうコレ(プライマシーHP)でエエやん、この86!」と叫んでしまった素晴らしさ。改めてポテンシャルの高さを思い知った気がします。
街乗りメインならプライマシーHPで十二分にくっきりとクリアな走行が堪能できるはず。
ただし、やはり過給している86が停止時から急にトルクをかけたときや、舵をかけながら急に再加速した際などには、ぐっとテールが滑る・ずれるような感覚も。その滑り出しのインフォメーションを正確に伝えてくれるのもプライマシーHPの素晴らしさではあるのですが、オートックワン号みたく過給したり、また、カゲキに振り回し気味で走りたい人にはやっぱ、モノ足りないかな。
パイロット・スーパースポーツ 215/45 ZR17
たとえば同ミシュランで言えばパイロットスポーツ3のようなツナギとなるスペックのタイヤがないままに、プライマシーHPからイキナリPSSに乗り換えたせいか、トルクをかけた瞬間からすでに“路面を喰っている”感を味わいました。
時速0kmからの加速は踏み出し時に、ほんのちょっとひっかかるような感じ。プライマシーHPの時よりもアクセルの開度を多めにしないといけません。それは少しの差ではあるのですが、短時間でこうして乗り比べると実に明白。
プライマシーHPに試乗した時と同様、停止線をめがけてアクセルオフをしつつ距離を合わせようとすると、PSSの17インチはやはり路面をつかむせいでプライマシーHPよりも早いタイミングで車速が落ちて行きます。
路面に対し高いグリップ性能があるということは、裏返せば転がりにくくしているというのと同じこと。市街地で特に複雑なコーナリングのない道路においては、ここまでのハイグリップは必要と感じません。
しかし、その効果は長いRのコーナーなどに入れば“弩級の安定感”という好感覚にいきなりころっと変貌を遂げます。
あまりにしっかりと路面を掴むので、お台場に向かうループ橋ではつい、いつもよりも速度域を上げてしまうくらいでした。ノーマルの86だったら、このタイヤよりパワーの方が勝るということは、どんなステージでもありえないんじゃないかな、と感じるくらいのしっかりグリップ。
加えて、このPSSはエクストラロードということもあり、通常のタイヤよりも当たりがやや硬い印象です。路面のギャップを乗り越えたときなどは、パンと弾くような感覚がありますので、逆に『三度のメシより峠が好きだ』もしくは『自宅がラリーのSSのように曲がりくねったターマック上にあるので、日々、藤原豆腐店のようにドライビングトレーニングをしながら帰路に就きたい』と仰るかたには最適のタイヤだと言えます。
17インチだと価格も安め。メンテナンス面でもお財布にやさしいですし。
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