スズキ エスクード 試乗レポート
- 筆者: 石川 真禧照
- カメラマン:小平 寛
日本発の小型の4WD多目的乗用車は、欧米のニーズに合わせてサイズアップ。
エスクードは1988年に初代がデビューした。当時は小型の4WD多目的乗用車というのは存在しなかった。しかしこのクラスを望んでいた人は日本だけでなく、世界各地にもいたようで、たちまちヒット車になった。
1997年に2代目が登場してもその人気はとくに欧米で高く、これまでに約190万台が生産され、180カ国以上に輸出されている。
3代目の開発にあたり、スズキは欧米市場でのニーズを考慮した。その結果、ボディサイズは全長が4390mm、全幅は1810mmになった。1.8mをオーバーする全幅はホンダCR-Vや日産エクストレイルよりも広い。
エンジンバリエーションは直列4気筒2LとV型6気筒2.7L。ミッションは6気筒モデルは5速AT、2Lは4速ATか5速MTも選べる。
スズキは軽自動車の4WDジムニーを1970年代に発売して以来、いまでも4WD車の生産を継続する長い歴史がある。その経験に基づいて開発されたのが新型エスクードだ。
全幅を拡大し、シートサイズも大型化。
全幅を重視したエクステリアは前後のフェンダーを張り出し、迫力あるルックス。リアクォーターのCピラーの処理も巧み。リアゲートは右ヒンジの横開き。スペアタイヤはリアゲートに装着されている。
インテリアはメーターやセンターパネルにメタリック部分を配し、スポーティで都会的な印象を感じさせる。ただし、室内色はブラック一色しか用意されないのは、不満。輸出用には設定されるベージュ系のインテリアも選べるようにしてほしい。
フロントシートに座ってみる。シートサイズは大きい。全幅を拡大した理由のひとつにシートサイズの大型化に対処するということがあった。それは体感できる。シートはレバーで上下調整できる。高めにセットすると、ボンネットがよく見える。これなら車幅がつかみやすく、運転しやすい。
リアシートはドア開口部が大きく、足元もフラット。ラゲッジスペースも広い。
走りは折り紙つき。
2Lエンジンは145馬力。試乗車は4速AT車だ。ATのシフトはゲート式。Dレンジでのスタートはトルクの盛り上がりは少ないが、スムーズに吹け上がる。エンジン音は4000回転から高まる。100km/h Dレンジは2600回転なので、高速巡航での静粛性は確保されている。
ハンドリングはオフロードタイヤを装着しているにもかかわらず、レスポンスがよい。コーナーでのロールも不安のないレベルに抑えられている。これまでのエスクードよりも格段に安定感がある。
2.7Lモデルはトルクが太く、軽快。こちらはESP(車両走行安定補助システム)も標準装備。オフロード走行はインパネのダイヤルで、駆動条件を簡単に切りかえることができる。オフロードコースで試乗したが急なのぼり坂からのスタートも「4Lロック」モードで難なくクリア。荒地走破性は高い。新採用のセンターデフ式フルタイム4WDシステムは信頼感がある。
2.7Lモデルというチョイスもあり!
新型エスクードのバリエーションは2.0XE、2.0XG、2.7XSの3グレード。2Lモデルには5速MT仕様もあるが、これは一部のマニアックな人のためのモデル。
大半のユーザーはATを選択するに違いない。
で、2.0XEはベースモデルなので、装備はシンプル。16インチタイヤを唯一、標準装着している。これは走破性、乗り心地を考慮するとイマイチ。やはりXG(220万5000円)がおすすめといえる。ただし、ナビゲーションは21万円高の設定。ライバルのエクストレイルやCR-Vに対して、やや割高な感じがする。
それなら思い切って2.7Lモデルというチョイスもある。こちらはESPをはじめ、走行性能を向上させる電子制御デバイスも揃っている。価格も252万円ならば、他車との見劣りもしない。今回のお買い得モデルは2.2XSといえる。
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