『つながるクルマの未来』ITS白熱討論会レポート/飯田裕子・学生カーソムリエ(AE19)大塩純平(2/3)
- 筆者:
日本は、クルマを“停める”ことを考えずに道路を作ってしまった
『ITSスポットを体験して、どうだった?』(清水和夫氏)
という清水氏の問いに、
「新東名の情報が広域情報になかったのですが…」(サイキくん[一般参加者])
「地図データは更新されているので、それを活用するナビ本体との連動や更新のタイミングは機種によって違います」(国交省 西川氏)
「一部のナビでは何度か通ると更新されるし、パイオニアは通信を用いて更新するシステムを用いています」(パイオニア 柴崎氏)
これは、ドライバーと地図情報がどう繋がっていくのかを議論した一例です。
また、「渋滞がなくて安全に移動できるようになったら、その次はみんなの生活はどう変わっていくか?」という質問に対しては、
「自分は今、電車派なのですが、電車では行かないところに行けます。ただ都内は駐車場を探すのも大変だし料金が高い」(モエカさん[一般参加者])
これに対し、
「その通り。クルマは停まらなければいけない。これからは“走る、曲がる、止まる”に加えて、“繋がる、停まる”ことを考えないといけないんですよね。日本は停めることを考えずに道路を造ってしまいました。全部の道路を造り変えることを考えたらお金がかりすぎて大変です」(東大 大口氏)
さらに、
「造り方も大事だけど、使い方も大事。時間帯によって走行帯の主役(走行車両や車線数の変更など)、スピードリミットを変える、ITを使ってできることがあるはずです」(トヨタ 森氏)
と提案。率直な意見を述べたモエカさんに対し、専門家たちはそれについて全てではないけれどどんな風に考えているのかをわかりやすく紹介してくれました。
松前さん(働く母の代表)からは、「学校と一緒にスクールゾーンを造る委員会が全国の小学校にあります。トヨタで紹介した協調型ITS(まちづくりの取組のところ)、それに近くて、親にとってはありがたい。もっとクルマ側にそういう情報を繋げるようにしたらどうか」
という提案があり、それに対し専門家たちが頷く場面も。
大口先生は、
「アイコンタクトのコミュニケーションは社会人としてのコミュニケーションとして大事。それは運転中も同じ」
と自動では配慮しきれないコミュニケーションの難しさを説明。ここから議論は盛り上がりました。
「お互いに良く見えるというのは自動の前提であって、日産もトヨタも全自動とは言っていない。ある一定のところで自動に走る。2020年までに実現を目指しているメーカーの考え方はそういうところ」(清水氏)
「航空機の世界ではすでに20-30年前にその議論は終わっているのでは?」(ジュンペイくん@オートックワン)
「アメリカの自動運転も軍事技術から来ている」(清水氏)
「クルマにとっては安全性を見て何が一番大事なのかを主権や技術を選んで出す思想を目標としています」(トヨタ 森氏)
「学習能力を持たせることも大事」(東大 大口氏)
「先日メルセデスが発表したSクラスの自動運転車もまだ開発途上にあり、例えば交差点での歩行者とのコミュニケーションなどはマニュアル通りではスムーズではない、と聞いています」(飯田)
「自立に加えて人間力が大事だと思う。90億人も人がいるわけで人間力が大事だと思う」(清水氏)
「あまり便利になると人はスポイルされるよね。歴史を振り返って。そのバランスが大事。みんな漢字が書けなくなった。ハイテクと人間力のバランスが大事」(東大 大口氏)
「全自動化が進むと、クルマと人との距離が離れると思っていた。が、今日の討論で人間との距離が近くなると思った。人間の力を使いたいと思った」(コージくん[一般参加者])
全自動についての議論はあるものの、高齢者、障害のある方など本当に必要なケースもある。今まで知らなかったことを知り、議論をたくさん交わすことで今後のクルマ社会を変えることにも繋がる。一時間弱の討論会は時間とともに白熱し、これからさらに…というところでタイムオーバー(残念)。
最後に清水さんは、
「ITSは安全、環境、すべてが入る社会学。2020年に向けて私たちのクルマや町がどういう風に変わっていくのか。自分たちのライフスタイルをみんなが今、君たちがつくるチャンスです」
とエールを送り討論会は終了。新たな情報や知識を得て、恐れずに議論することってとても大事です。
また、オートックワンは東京モーターショー2013の開期中に『これからのクルマ、これからのクルマ社会を考える』というイベントを開催し、私飯田も参加します!皆さん、ぜひご期待下さい!
(TEXT:飯田裕子)
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