「僅かに」軽減された自動車重量税/松下宏のコラム(1/2)
- 筆者: 松下 宏
暫定税率は廃止されなかったものの、少しだけ下がった自動車重量税
4月1日から自動車重量税が変わった。
政権を取った民主党の公約通りであれば、本当なら4月1日から自動車取得税や自動車重量税、ガソリン税などの暫定税率が廃止されるはずだったのだが、残念ながら財源不足から公約は実行されず、暫定税率は廃止されないで、自動車重量税のみが僅かだが減税方向へと改定が行われた。
今年3月まで、乗用車の自動車重量税は車両重量が500kg当たり年間6,300円で、これを新車時や車検時に車検期間分前納することになっていた。
カローラクラスのクルマを普通に買うと、新車購入時に5万6,700円も納税することになっていた。
ただ、2009年4月からはエコカー減免税がスタートし、ハイブリッド車などの次世代自動車は免税でゼロになり、ほかにも排気ガス性能と燃費によってエコカー減税に適合するクルマは50%または75%の減税が適用されていたから、新車時の自動車重量税は車種によってさまざまだった。
そもそも、基準となる500kg当たりの税額6,300円は、本則税率2,500円の2.5倍というとんでもない高率の割増税率が暫定で適用された結果だった。
そこから50%減税とか75%減税といっても半分インチキみたいなものだったが、エコカー減免税があれば暫定税率の廃止がなくても納得できる部分がある。
2010年4月からの自動車重量税は、この暫定税率が本則税率の2.5倍から2倍へと少しだけ引き下げられた。500kg当たり1年で2,500円、引き下げられた税率が2倍だから5,000円となり、1,300円が減額される。車両重量が1,200kgくらいのクルマだと、新車購入時に納税する3年分の税額が1万5,000円になる。
2012年4月までは、前年度と同様にエコカー減免税が適用され、ハイブリッド車やクリーンディーゼル車、電気自動車などは自動車重量税が免税になる。50%減税のエコカーなら7,500円で、75%減税のエコカーは端数を切り捨てて3年分の税額が3,700円とかなり安くなる。
エコカー減税がなければ、本則税率でも7,500円を納税しなければならないわけだから、エコカー減税があれば暫定税率廃止と同じかそれ以上のメリットが受けられることになる。
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