ニュルブルクリンクって何がスゴいの?|自動車メーカーがニュルを使う理由とは(1/2)
- 筆者: 山本 シンヤ
世界のどこにも存在しない唯一無二の存在
ドイツ・北西部にあるサーキット「ニュルブルクリンク(通称:ニュル)」は、1周約5.1kmのグランプリコースと1周20.8kmの北コース(ノルドシュライフェ)と2つのコースがあるが、北コースには世界の主要自動車メーカーは足しげく通う。
そもそも、自動車メーカーは自前で巨大なテストコースをいくつも持っているし、サーキットならば各国にインターナショナル級のコースはたくさん存在する。ちなみにニュルのコースサイドは誰でも簡単に行けるのでスクープもされ放題である。なぜ、彼らはそんなリスクを冒してまでニュルに来るのだろうか?
>>過酷なコースであるニュルブルクリンクを画像で見る[フォトギャラリー]
その答えは非常に単純で、このようなコースは世界のどこを探しても存在しないからだ。まず1周20.8kmと一般のサーキットと比べて距離が長い。ちなみに富士スピードウェイが4.6km、鈴鹿サーキットが5.8kmと比べるとそのスケールの違いが解るはず。ちなみにスタート地点は快晴でもコース中盤は豪雨と言うような天候の差も。
一方通行の荒れたワインディングのよう
また、主要サーキットの多くは路面がフラットな上に安全性のためにエスケープゾーンも多く用意されているが、ニュルは山間部の高低差をそのまま利用して作られており、サーキットと言うよりも「一方通行のワインディング」と言ったレイアウトである。
標高差300mはアップダウンと言うより「空に向かって」、「崖の下に向かって」と言うような感覚で、170を超えるコーナーは低速から超高速域のスピードレンジでジャンピングスポットはもちろん、先が全く見えないブラインドコーナーも存在。更にコース上のどこにも平らなところがない」と言われるくらい路面が波打っており、埃っぽく滑る。
もちろん、自動車メーカーのテストコースにはニュルの路面を模した所もあるにはあるが、長年使われて自然に荒れた路面とは違う。
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