TMS2009×評論家の視点/石川真禧照
- 筆者: 石川 真禧照
- カメラマン:島村栄二/柳田由人
ダイハツ イース(e:S)
軽自動車は日本独自のカテゴリーとして、全長3.7m、全幅1.4mという規格内で、各社がそれぞれ工夫したクルマづくりをしている。エンジンは660cc以内というシバリだ。
しかし、日本の自動車メーカーは研究熱心だから、この範囲内でいかに広いクルマを作れるかを競ってきた。今では、ダイハツのタントなどは1.5リッターのコンパクトカーよりもリアシートは広いほどだ。
そこまで広くなくとも、機能が十分ならボディ全体をもう少し小さくしてもいいのではないか、と考えて作られたのがダイハツ イース(e:S)だ。
これまでは、いかにライバルよりも大きく見せるかというクルマを作ってきたのに、これはまさに逆転の発想。小さなクルマはいくつか利点がある。たとえば、ボディが小さいと材料も少ない。軽量にできるだけでなく、材料費が安くできるのだ。つまり、安いクルマを作れる。
イースは車重700kgを切る重さで、30km/Lの燃費を達成している。ハイブリッドなどを採用しなくてもエコなクルマは作れるのだ。
スズキ スイフト プラグイン・ハイブリッド
2009年の東京モーターショーを見に来ている人を見ると、電気自動車がこれからの自動車みたいに思っている人が多いことに気がついた。
確かに、各社が電気自動車を多く出品しているが、電気は用途が限られているのだ。最近、三菱のアイミーブで箱根まで出かけたが、アクセルを踏み続ける高速道路では、回生機能が十分に使えず、どんどんと電気が失われ、ヒヤヒヤした。
電気自動車はバッテリーに電気がなくなってしまったら動くことができない。ガソリンのように給油したからすぐに動けるわけではないのだ。
スイフト プラグイン・ハイブリッドは、電気で走れるのは20kmほど。この間はガソリンを消費しない。電気がなくなると、軽自動車用のエンジンが動き出す。といってもそのエンジンで走るのではなく、エンジンはバッテリーの充電用。あくまでも電気で走るクルマなのだ。
これならば、遠出しても辺鄙なところを走っても安心して居られる。充電用のエンジンなら、もっと排気量が少なくコンパクトなエンジンでもいい。
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