1050馬力の量産EV“FF91”に予約殺到、航続距離も800km!だが全ては机上の謎会社
- 筆者: 桃田 健史
あっと驚くフォルムに会場が騒然!
謎の米EVベンチャー、ファラデーフューチャーがついに、量産型EVを世界初披露した。
公開された場所は、ネバダ州ラスベガスで開催中の世界最大級IT・家電見本市のインターナショナルCES(コンシューマ・エレクトロニクス・ショー)だ。
舞台に登場した量産型第一号「FF91」は、近未来的なイメージのクロスオーバー。4ドアタイプだが、なんと観音開きだ。詳細な寸法は非公開だが、実物を見る限り、ファラデーフューチャーがライバル視しているテスラの「モデルS」や「モデルX」に近い雰囲気を感じた。
注目すべきは、そのパフォーマンスの高さだ。公開データによると、駆動方式は四輪駆動で最高出力は783kw(1,050馬力)。バッテリーの容量は153kwhでテスラ「モデルS」が同ラインアップの中で最も電池容量が大きい「P100D」と比べて1.5倍とかなり大きい。
それによって、満充電での後続距離も当然かなり長く、500マイル(800km)にも及ぶ。充電システムは出力200kwの急速充電を使い、満充電まで数時間という。
注目殺到するも、謎は多いまま
「FF91」は2018年に量産する計画だという。
組み立て工場については、昨年のCESに同社が初出展した際、ネバダ州からの補助金などを受けるかたちで、ラスベガス北部に大型工場を建設すると説明している。
さて、今回の「FF91」発表後の36時間で、予約人数は6万4000人を超えている。世界の注目を浴びた、テスラの小型EV「モデル3」が発表後の24時間で受理した、23万2,000人に比べると4分の1程度だ。
だが、ファラデーフューチャーが現時点で発表していることは、ほぼ全てが机上でのこと。今回発表の「FF91」が本当に量産され、さらにクルマ本来の安全性と長期間での使用における信頼性については未知数だ。
また、アメリカの一部報道では「FF91」の予約には5,000ドル(約60万円)が必要だが、「特別オプション」として予約金ゼロの設定があるようで、予約数6万4,000人のうち何件が5,000ドルを支払っているのか不明だとしている。
なんとも謎多き、ファラデーフューチャー。彼らの同じくEVベンチャーであるテスラに対するライバル心は、ハンパない。
5日から本会場で公開されたファラデーフューチャーのブースでは、テスラ「モデルSP100D」とファラデーフューチャー「FF91」が実車でドラッグレースをする模様が紹介された。
停止状態から時速100キロを競うもので、「FF91」のタイムは2.39秒で、「モデルS」より0.11秒勝ったという。
なお、現時点でファラデーフューチャーの日本市場への導入は不明だ。
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