オーテック デュアリスクロスライダー 試乗レポート/渡辺陽一郎 with 美波千夏(1/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正
外観のみならず専用スポーツサスも備えたクロスライダー
SUVは悪路の走破を目的に、最低地上高に余裕を持たせたボディを持ち、大径サイズのタイヤを履く。
ただし最近は、SUVの品ぞろえも多様化してきた。
この市場を築いたのは、パジェロやランドクルーザーといったオフロードSUV。後輪駆動をベースにした4WDシステムを備え、駆動力を高められる副変速機も装着する。悪路の走破に特化したSUVと考えれば良い。
ただしこのタイプのSUVは、ボディが重く車高は高い。動力性能、走行安定性、乗り心地、さらに居住性や乗降性でも不利になる。悪路に乗り入れれば抜群の走破力を発揮するが、その機会が少ないと、欠点ばかり目立ってしまう。
そこで今の主力は、乗用車系のプラットフォームを使うシティ派SUVになった。
前輪駆動をベースにした4WDを備え、床の位置はオフロードSUVよりも低めの設定。走行性能、居住性、乗降性などの不利が少ない。走破力を競えばオフロードSUVに負けるが、日常的には使いやすい。
特に日本の場合、大半のSUVユーザーは舗装路か雪道で使うため、シティ派の方が合理的。セダンやミニバンと共通化できるパーツが多く、価格も安い。従って今ではシティ派がSUVの売れ筋になっている。
ここで取り上げるデュアリスは、エクストレイルとプラットフォームを共通化した前輪駆動ベースのシティ派SUVだ。
欧州をメインマーケットと考えて開発され、外観はSUVというよりシティ感覚が強く、車高の高い5ドアハッチバックだ。高重心でありながら、走行安定性が優れている。
このデュアリスの特徴をさらに際立たせたのが、オーテックジャパンによってアレンジされたクロスライダーだ。
最も注目される点は、専用スポーティサスペンションを備えていること。
20mmローダウンされ、低重心化された。それでも最低地上高は185mm。デュアリスは前述のようにプラットフォームがエクストレイルと同じだから、ベース車の最低地上高はシティ派では余裕のある205mmになる。
クロスライダーもローダウン化しながら、デコボコの乗り越えやすさを損なっていない。
実際に試乗すると、とてもバランスが良い。
高重心のSUVでありながら、腰高感を抑え、コーナーでは操舵に対して忠実に回り込む。スポーティに走っても、クルマを内側に寄せやすい。
その一方で、危険回避時の走行安定性も良好。
後輪の横滑りを誘発しにくい。それでも横滑り防止装置のVDCは設定すべきだ。ベース車ではメーカーオプションで選べるが、クロスライダーは装着できない。
サスペンションまで手を加えたので、VDCのセッティング変更が伴うのは理解できるが、上質な走りを実現するなら安全装備の充実は不可欠。メーカーはクロスライダーにVDCを標準装着すべきだ。
このクルマを買うユーザーなら、VDCの必要性は十分に理解していると思うからだ。
※画像をクリックすると 「オーテック デュアリスクロスライダー × 美波千夏」 画像ギャラリーページへ
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