トヨタ WRC第3戦ラリー・メキシコで総合2位を獲得
トヨタ ヤリスWRC タナック選手・ヤルヴェオヤ選手組が総合2位
2019年3月10日、FIA世界ラリー選手権(WRC)第3戦ラリー・メキシコの最終日となる競技4日目がメキシコの都市レオンを中心に行なわれ、トヨタ ガズーレーシングワールドラリーチームのオィット・タナック選手/マルティン・ヤルヴェオヤ選手組(ヤリスWRC #8号車)が総合2位でフィニッシュした。
またクリス・ミーク選手/セブ・マーシャル選手組(#5号車)が総合5位、ヤリ=マティ・ラトバラ選手/ミーカ・アンティラ選手組(#10号車)も総合8位でフィニッシュ。ヤリスWRCは、これまで苦手としてきたラリー・メキシコで全車が完走し、初のポディウムフィニッシュを達成した。
ラリー・メキシコ ヤリスWRCのハイライト
#8号車
4日目はサービスパークを中心に3本、計60.17kmのSSが行なわれた。
3日目で総合3位に浮上したタナック選手は最初のSS19でベストタイムを記録し、続くSS20でもベストタイムを刻んだ。最終のパワーステージはパンクにより攻め切れずボーナスポイントは得られなかったが、総合2位でフィニッシュを果たした。
総合2位に入ったことにより、タナック選手とヤルヴェオヤ選手はドライバーおよびコ・ドライバー選手権首位の座を堅持。再び選手権リーダーとして、次戦のツール・ド・コルス(フランス)に臨む。
なお、ヤリスWRCはラリー・メキシコ3回目の挑戦で初の表彰台フィニッシュを果たした。
#5号車
3日目最初のステージで首位に立つも、その後パンクで総合5位に後退したミーク選手。前後の選手とのタイム差が大きく開いていたため、4日目ではボーナスの選手権ポイントがかかる最終のパワーステージに注力した。最初の2本のSSではタイヤを温存して走り、パワーステージに臨んだ。
残念ながら僅か0.1秒差でベストタイムは逃したが、セカンドベストタイムによりボーナスの4ポイントを獲得。また、マニュファクチャラーポイントにも貢献し、チームはマニュファクチャラー選手権トップの座を守った。
#10号車
2日目での電気系トラブルによるデイリタイアを経て、デイ3で再出走したラトバラ選手は総合8位まで順位を回復した。
4日目では2本目のSSで総合7位にポジションを上げたが、フロント部を石にヒットして破損。最終SSを前に、ラトバラ選手とコ・ドライバーのアンティラ選手は、サンプガードの修理を行ないタイムをロスしたが、総合8位でフィニッシュした。
チームメンバーのコメント
トミ・マキネン氏(チーム代表)
ドライバーにとっても、エンジニアにとっても、そしてメカニックにとっても、非常に厳しいラリーでしたが、過去2年間と比べると我々のクルマは大きく進化しました。冷却系に問題は起こらず、高いパフォーマンスも発揮できました。オィットは初めて選手権リーダーとなり、1番手スタートを初めて経験しましたが、冷静に対応し、素晴らしい走りをしました。彼が置かれた状況を考えると、総合2位は最高の結果だと思います。クリスとヤリ-マティはアンラッキーな面もありましたが、最後まで戦い続け、選手権争いにおいて重要なポイントを獲得してくれました。
オィット・タナック選手(ヤリスWRC #8号車)
良い週末でした。このラリーはクルマにとっても、タイヤにとっても、そしてクルマの中で戦うドライバーにとっても、非常に過酷なイベントでした。しかし我々は上手くやったと思いますし、ミスをすることも、問題に遭うこともなく走り切れて嬉しく思います。我々の強さを示すことができたのではないでしょうか。パワーステージではパンクをしてしまったので、何もできませんでしたが、最初の2本のステージは上手く走れ、2位に順位を上げることができました。開幕3戦で3回表彰台に立つなど、ここまで良いシーズン序盤戦を過ごしていますので、引き続きこの良い流れを保ちたいと思います。
ヤリ=マティ・ラトバラ選手(ヤリスWRC #10号車)
4ポイントを獲得するために、これほど頑張って戦ったのは初めてです。デイ4の2本目のステージ終盤に、路面の根石にクルマが当たってしまい、サンプガードにダメージを負いました。もしかしたら走り続けられないかもしれないとも思いましたが、どうしても諦められませんでした。何とかサンプガードを応急処置できましたが、パワーステージでは攻められませんでしたし、タイムコントロールに遅着した結果ペナルティを受け、4秒差で総合7位の座を失いました。しかし、フィニッシュすることができて良かったと思います。この週末は本当にいろいろなことが起きたので、次のラリーは平穏無事であることを願っています。
クリス・ミーク選手(ヤリスWRC #5号車)
総合5位はほぼ確実という状況でデイ4をスタートしたので、その順位を守りつつ、パワーステージを全開で攻めることにしました。最初の2本のステージではタイヤを守って走りましたが、それは正しい戦略だったと思います。そしてパワーステージでは、総合5位でフィニッシュすることを最優先しながらも、思い切りアタックしました。デイ3ではラリーをリードしながらもパンクで遅れるなどタフなラリーになりましたが、14ポイントを獲得できたのでポジティブな結果だといえるでしょう。チームにとって、そしてマニュファクチャラー選手権にとって、本当に価値のあるラリーになったと思います。
ラリー・メキシコ 4日目の結果
1:セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(シトロエン C3WRC)3時間37分08.0秒
2:オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ(トヨタ ヤリスWRC)+30.2秒
3:エルフィン・エバンス/スコット・マーティン(フォード フィエスタWRC)+49.9秒
4:ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー(ヒュンダイ i20クーペWRC)+1分27.0秒
5:クリス・ミーク/セブ・マーシャル(トヨタ ヤリスWRC)+6分06.2秒
6:ベニート・グエラ/ハイメ・ザパタ(シュコダ ファビアR5)+15分35.5秒
7:マルコ・ブラチア・ウィルキンソン/ファビアン・クレトゥ(シュコダ ファビアR5)+18分51.5秒
8:ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ(トヨタ ヤリスWRC)+18分55.9秒
9:ダニ・ソルド/カルロス・デル・バリオ(ヒュンダイ i20クーペWRC)+22分44.1秒
10:リカルド・トリビーニョ・ブハリル/マルク・マルティ・モレノ(シュコダ ファビアR5)+30分13.8秒
(現地時間2019年3月10日 17時10分時点)
次戦のWRCはフランス「ツール・ド・コルス」
WRC次戦は、2019年3月28日から同年3月31日にかけて、フランスのコルシカ島で開催される第4戦ツール・ド・コルスだ。
シーズン最初のフルターマック(舗装路)ラリーであるツール・ド・コルスは、島の東部バスティアのサービスパークを中心に、島の広い範囲でSSが行われる。
険しい山岳地帯を舞台とするステージは全体的に非常にツイスティで、岩壁や崖が道のすぐ近くに迫り、路面コンディションも刻々と変わるため、ミスのない精度の高いドライビングが求められる。
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