VW、スポーツカーとファストバックが融合した新型アーテオンを世界初公開
フォルクスワーゲンは、新型Arteon(アーテオン)を3月7日から開催されるジュネーブモーター ショーで世界初公開した。
アーテオンは、伝統的なスポーツカーのデザイン要素、ファストバックのエレガントなスタイルと広い空間を融合させたアバンギャルドなビジネスクラスグランツーリズモで、パサートと中国専用のフィデオンの中間に位置づけられているプレミアムモデルである。
アーテオンは、MQB(モジュラー トランスバース マトリックス)を基本に設計された。なお、トランスバースとは、フロントにエンジンを横置きにすることを意味している。
全長4862mmに対し、ホイールベースは2841mmを確保。ロングホイールベースとしたことで、フロントとリアオーバーハングは短くなっている。
全幅は1871mm、全高は1427mmで、ダイナミックなプロポーションとした。
新型アーテオンのエクステリアで目を引くのは、新デザインになったフロント部分で、特に車両前方と左右フェンダーまで伸びたボンネットと全幅いっぱいに広がるラジエーターグリルが特徴的だ。
LEDヘッドライトとデイタイムランニングライトは、ラジエーターグリルとボンネットに施されたクロームメッキのクロスバーと組み合わされる。その結果、高性能スポーツカーをイメージしたフロントデザインが完成した。
リアショルダー周辺の魅力的でパワフルな部分と力強いフェンダー、盛り上がったホイールアーチと大口径の20インチアルミホイールは、スポーツカーと同じ流儀でデザインされている。フロントとリアアクスルの間にあるウェストラインのシルエットにも純粋なスポーツカーのデザインが見て取れる。
アーテオンは、グランツーリズモコンセプトを再解釈し、アバンギャルドなデザインや高いスポーツ性、卓越した柔軟性、広々とした空間を組み合わせ、ゆとりあるリアレッグスペースと563~1557リットルの大きなラゲージスペースを確保した。
アーテオンはデビュー時点で、6タイプの直噴4気筒ターボエンジンをラインナップする。110kW/150PSのベース仕様と140kW/190PSの中間仕様(それぞれガソリン/ディーゼルを用意)に加え、最もパワフルな仕様は最高出力206kW/280PS(ガソリン)/176kW/240PS(ディーゼル)を発揮する。
ベース仕様のガソリンエンジン1.5 TSI Evoは、完全な新設計。気筒休止システムのアクティブシリンダーマネージメント(ACT)などの先進技術により、優れた効率を誇る。
6タイプのエンジンは、すべてDSGと組み合わせることができる(ドイツ仕様の110kW TSIのみMT専用)。
TSIの場合、140kW以上にはDSGを標準装備。TDIでは、176kW仕様にDSGを標準装備した。最強のTSIとTDIは4輪駆動の4MOTIONで、140kWのTDIはオプション設定となる。これ以外のモデルはすべて前輪駆動となる。
アーテオンは最新世代のアダプティブクルーズコントロール(ACC)を搭載し、制限速度やルート情報などのデータを取り込み、それに応じて自動的に車速を制御する。プレディクティブ(予測)ビーム付きの新しいダイナミックコーナリングライトは、ナビのGPS機能と道路データを活用、コーナーへの接近を検知し、ドライバーが実際に コーナーに向かってハンドルを操作する前に進行方向を予測して路面を照らす。
第2世代に進化したエマージェンシーアシストシステムは、これまで以上に安全性を向上させ、ドライバーに何かしら健康上の理由による緊急事態が発生して車両を 制御できなくなると、システムの制御範囲内で車速を低下させるだけでなく、後方の 交通状況が許すかぎり、車両を低速車線に移動させる機能が追加された。
アーテオンには、高品質なベース仕様に加え、エレガンスとR-ラインが設定されている。
エレガンスはプレミアムクラスの装備とスタイル、R-ラインはスポーティな性格とした。オプション装備として、パノラマスライディングルーフ、3ゾーンフルオートエアコン(空気品質センサーとアレルゲンフィルター付きのAir Care Climatronic)、マッサージ機能付きフロントシート、ヒーター付きステアリングホイール、ツートーンのナパレザーインテリアなどが設定されている。
生産はドイツのエムデン工場で行われ、6月中旬にドイツ市場で納車がはじまり、欧州の一部の国向けの予約注文は、ジュネーブでのワールドプレミア直後から受付を開始する。
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