独VW、新会長に現ポルシェ会長のマティアス・ミュラー氏が就任
排気ガス規制偽装問題で9月23日に退任を表明した、フォルクスワーゲンAGの取締役会会長マルティン・ウィンターコルン氏の後任に、マティアス・ミュラー氏が就任したことが発表された。この人事は25日(金)にウォルフスブルグで召集された監査役会で決定された。ミュラー氏は現在ポルシェAGの取締役会 会長を務めており、同ポストの後任が確定するまで兼務となる。
マティアス・ミュラー氏は「私にとって最も優先すべき課題は、フォルクスワーゲングループへの信頼を取り戻すことです。それには最大限の透明性を確保しながら徹底的に調べ上げ、現状を見極めながら、正しい結論を導き出すことです。私のリーダーシップの下、フォルクスワーゲンはこの業界の中で最も厳格なコンプライアンス及びコーポレートガバナンスの基準を策定し、実施する予定です。それに成功すれば、フォルクスワーゲングループは、その革新力、ブランド力、そして特に能力と熱意あるチームにより、今回の危機により以前より強い企業として生まれ変わるチャンスがあります」とコメントした。
新会長のマティアス・ミュラー氏とは
マティアス・ミュラー氏は1953年6月9日、ケムニッツ(ザクセン州)生まれ。
インゴルシュタットで高校卒業後、アウディAG で工具製作見習いとして働き、その後、ミュンヘン専門大学で情報科学を専攻。1978年の学位取得後、アウディAG(インゴルシュタット)への勤務を再開。1984年にシステム分析部の責任者となる。
1993年には「アウディ A3」のプロジェクトマネージメント責任者に就任し、1995年、アウディAG、セアト及びランボルギーニのプロダクトマネージメント責任者に就任する。
2007年にはウォルフスブルグに移り、フォルクスワーゲングループ及びフォルクスワーゲンブランドのプロダクトマネージメントの責任者として就任すると同時に、フォルクスワーゲングループのゼネラルリプリゼンタティブに任命される。
2010年にはポルシェAGの取締役会会長並びにポルシェオートモビルホールディングSEの取締役会メンバーに就任し、2015年3月1日にはフォルクスワーゲンAGの取締役会にも加わった。
マティアス・ミュラー氏の現在のフォルクスワーゲンAGの取締役会役員としての契約は、会長として就任しても、2020年2月まで継続される。
監査役会会長(暫定)ベルトホルト・フーバー氏のコメント
「マティアス・ミュラーは戦略・経営、そして社会適応性において優れた人材です。フォルクスワーゲングループおよびブランドをよく知っており、直ちに全力でその新しい任務に取り組むことができるでしょう。監査役会は、とりわけミュラーの物事を建設的に見極める能力を評価しています。」
グループ従業員協議会会長のベルント・オースタロー氏のコメント
「フォルクスワーゲングループがトップとして必要としているのは、拙速に物事を決める人ではありません。我々は、マティアスミュラーの意志の強さと決断力を特に評価しています。ミュラーは独断的ではなく、チームプレイヤーです。それこそが今のフォルクスワーゲンに最も必要なことです。」
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