ダイハツ 新型タント(NA)実燃費レポート│基本性能から見直したスーパーハイト軽ワゴン立役者の実燃費は!?

  • 筆者: 小鮒 康一
  • カメラマン:小林 岳夫・小鮒康一
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今回の燃費テストに持ち出したのは、いまや群雄割拠の様相を見せているスーパーハイト軽ワゴンの中では最後発(執筆時点)となる2019年7月に4世代目へとフルモデルチェンジを果たしたダイハツ タント。 果たして、新型タントの実燃費や如何に!?

 

■ダイハツ タントの実燃費結果まとめを画像で見る

目次[開く][閉じる]
  1. 基本性能から見直したスーパーハイト軽ワゴン立役者の実燃費は!?
  2. 燃費テスト概要
  3. ダイハツ 新型タントの実燃費は23.44km/L
  4. ダイハツ 新型タント実燃費レポート|市街地・街乗り編
  5. ダイハツ 新型タント実燃費レポート|郊外路編
  6. ダイハツ 新型タント実燃費レポート|高速道路編
  7. ダイハツ 新型タント実燃費レポート|総合実燃費編
  8. 試乗ルート

基本性能から見直したスーパーハイト軽ワゴン立役者の実燃費は!?

今でこそ販売面ではホンダN-BOXの後塵を拝しているタントであるが、高い全高と長いホイールベースを武器に広大な室内空間を実現するスーパーハイト軽ワゴンの不文律を作り上げた立役者こそ、2003年に登場した初代タントであり、いつまでも2番手3番手に甘んじているわけにはいかない、というのが本音だろう。

4代目となった現行モデルは、タントの売りであるセンターピラーレスのミラクルオープンドアを継続採用しながら、新たなDNGA-Aプラットフォームを採用し、スプリットギアを組み込んでベルト+ギア駆動を可能にした「D-CVT」を採用するなど、基本性能から見直したモデルであり、燃費の面でもどうなっているか興味深いところだ。

燃費テスト概要

今回はまず、非カスタム系でNAエンジンを搭載する「X」グレードを駆り出して燃費計測を行った。テストは11月20日に実施。天候は晴れだったものの、気温はこの時期らしく最高でも15度程度。加えて1日を通して強風が吹くスーパーハイト軽ワゴンには厳しい条件の中、朝10時ごろに青山にあるMOTA編集部を出発し、高速、郊外路、市街地・街乗りの順で走行し、16時ごろに再びMOTA編集部へ戻るルートを選択した。

燃費の数値は車両に備わる燃費計を使用し、トータルの数値のみ区間燃費から計算した。エアコンは25度設定のフルオート、走行時は「PWR」スイッチは使用せず、全行程でDレンジのままでの走行とした。

ダイハツ/タント
ダイハツ タントカタログを見る
新車価格:
145.2万円208.5万円
中古価格:
4.8万円1,105.6万円

ダイハツ 新型タントの実燃費は23.44km/L

新型タント 実燃費(WLTCモード) カタログ燃費(WLTCモード)

総合

23.44km/L

21.2km/L

市街地

20.2km/L

18.4km/L

郊外路

25.1km/L

22.8km/L

高速道路

25.6km/L

21.6km/L

今回のテストではトータルで160.1kmを走行し、全行程を走り切ったトータルの燃費は23.44km/Lとなった。カタログ上ではJC08モード燃費が27.2km/L、WLTCモード燃費が21.2km/Lとなっているので、WLTCモード燃費以上、JC08モード燃費未満という結果となった。

なお、過去のデータを見ると、N-BOX(NAモデル)の実燃費が19.6km/Lスペーシアハイブリッド(NAモデル)の実燃費が21.8km/Lだったので、実燃費としてはタントがNo.1となり、最後発の面目躍如といったところだろうか(ただし測定条件が異なる)。

それではここからは走行シーンごとの燃費や走りっぷりなどをお伝えしていこう。

ダイハツ 新型タント実燃費レポート|市街地・街乗り編

新型タント 市街地・街乗りでの実燃費:20.2km/L

ハイブリッドシステムを持たないタントは、当然ながら発進時にモーターのアシストを使うことができない。そのため、一番燃費に悪影響を及ぼす発進加速を何度も繰り返す渋滞した市街地走行は、非常に厳しいシチュエーションとなる。WLTCモード燃費(カタログ値)でも市街地走行が最も数値が悪く、18.4km/Lとなっており、次点の高速道路モードの21.6km/Lから3km/L以上悪い数値となっているのだ。

そんな市街地走行では53.0kmを走行して実燃費は20.2km/Lと、なんとか20km/L台をキープする結果となった。なお、市街地走行で通る国道は大型トラックの走行も多く、路面には大きなわだちができている部分もあるのだが、意外にもピラーレス(一応ドアにビルトインされているが)かつ、大開口部を持つタントでもフロアが妙にワナワナすることもなく、DNGA-Aプラットフォームの底力を垣間見ることができた。

ダイハツ 新型タント実燃費レポート|郊外路編

新型タント 郊外路での実燃費:25.1km/L

続いては若干のワインディング路を含む郊外路。もともと走りがどうこう、というようなジャンルの車種ではないが、ハンドリングは意外にも素直な印象で、重心の高さをそこまで感じることもなかった。これは恐らくボディ剛性が高くなったことでサスペンション剛性も上がり、ロールをしてフラつく動きを抑えた賜物なのだろう。

燃費に関しては28.9kmの走行で25.1km/L とWLTC郊外モードの22.8km/L(カタログ値)を超える数値となり、900kgと決して軽量ではないボディを過不足なく走らせてくれるNAエンジンとのD-CVTのポテンシャルを垣間見る結果となった。

ダイハツ 新型タント実燃費レポート|高速道路編

新型タント 高速道路での実燃費:25.6km/L

最後は高速道路を通るルートを振り返る。今回も芝公園出入り口から首都高に乗り、東京湾アクアラインを経由して圏央道の茂原長南インターで下りるルートを走行し、78.2kmを走行して燃費は25.6km/Lという数値となった。

実はWLTCモード燃費(カタログ値)で見ると最も燃費が良いのは郊外モードであり、高速道路モードは21.6km/Lと逆に悪化してしまうのだ。

高速域ではスプリットモードとなりエンジンの回転数を押さえてくれるD-CVTではあるが、それよりも空気抵抗の大きなボディの影響が勝ったということだろうか。ちなみに当日はアクアラインで速度制限が出るほど強い風が吹く中の走行だったが、確かに横風に煽られるシーンがたびたびあった。このあたりは軽自動車枠内に収めながら全高を上げたスーパーハイト軽ワゴン全体の弱点と言えるだろう。

ダイハツ 新型タント実燃費レポート|総合実燃費編

ということで、新型タントのNAエンジンモデルの実燃費は160.1kmを走行して23.44km/L という結果となった。新たに採用されたDNGA-AプラットフォームとD-CVTによって、走りの面でも動力性能の面でも目立った不満を感じさせない仕上がりとなっていたのはさすが最後発モデルといったところ。

また価格の面でもN-BOXよりも手ごろで、スペーシアよりもわずかに安い価格となっている(同等グレードでの比較)。しかし、N-BOXには標準で備わるアダプティブクルーズコントロール(ACC)がタントのNAモデルには設定されない(オプション設定もなし)うえに、スペーシアHYBRID Xでは標準で備わるチルトステアリングすらタントではオプション設定(38,500円)となっている。

つまり、見た目の価格は最安値となるが、ライバルに備わる装備がなかったり、オプション設定となっていたりという点がちょっとモヤモヤするところ。せっかくクルマの仕上がりはいいのだから、見せかけだけの価格調整などはせずに純粋に勝負していただきたいと思ってしまった。現に一番高いN-BOXは売れているのだから……。

[筆者:小鮒 康一/撮影:小林 岳夫・小鮒 康一]

試乗ルート

ルート1「市街地」

千葉県市原市の国道16号線から国道357号線、途中から片側1車線になる国道14号線、都県境から蔵前橋通りを経由し、MOTA編集部に戻るルート。スムースに流れることは少なく、渋滞路が多くを占める区間だ。 平均時速は15~20キロ程度と遅い。道のりは約55km。

ルート2「郊外路」

茂原長南インターを降り、国道409号線を西に進み、交差する国道297号線を北上し、東京湾に近い千葉県市原市内の国道16号線まで向かうルート。 道路にアップダウンは少なく信号があまりない上に走行中の流れも良く、好燃費が期待できる区間と言える。道のりは約30km。

ルート3「高速道路」

首都高速都心環状線芝公園ランプから首都高湾岸線を経由し、東京湾アクアラインから最近開通した圏央道の茂原長南インターに向かうというルート。 道路にアップダウンは少なく、流れは区間全体を通しおおよそ80km/h程度。道のりは約70km。

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小鮒 康一
筆者小鮒 康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後に急転直下でフリーランスライターへ。国産旧車に造詣が深いが、実は現行車に関してもアンテナを張り続けている。また、過去に中古車販売店に勤務していた経験を活かし、中古車系の媒体でも活動中。最近では「モテない自動車マニア」の称号も獲得。記事一覧を見る

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