ニューヨークモーターショー2010 現地レポート(1/3)
- 筆者: 桃田 健史
今年のNYショー2010は大手メーカーが出揃う
マンハッタンの摩天楼。テレビCMなどの影響により、数多くの洒落た車が走っているイメージを抱く日本人は多いはず。
ところが、実生活でマイカーを持っているニューヨーカーは少ない。
東京都心の2倍以上の駐車料金、慢性的な渋滞、荒れた路面、メチャクチャな運転マナーのイエローキャブたち。全米50州のなかでも、この地は自動車にとって特殊な環境にある。
東京都世田谷区とほぼ同じ面積のマンハッタン島、その西側、11thアベニューと38thストリートが交差する地点。ジャビック・コンベンションセンター。同施設の裏手からは対岸のニュージャージーが見える。
ここで毎年春に開催される、ニューヨークオートショー(今年の一般公開は2010年4月2日~12日)。
アメリカでは全米各地の中規模、大規模都市のほとんどで自動車ショーが行われているが、そのなかでワールドプレミア(世界初公開)が行われるレベルのショーは、1月の北米国際自動車ショー(通称デトロイトショー)、2月のシカゴショー、12月のロサンゼルスショー、そして4月のニューヨークショーだ。
近年のニューヨークショーでは、トヨタ レクサスやサイオン、日産 インフィニティ、ホンダ アキュラなど日本勢の新車発表が恒例化している。またアメリカ勢は、パフォーマンス系やラグジー系を主体として出展してきた。
だが、今年のニューヨークショーはどこか雰囲気が違った。
出展メーカーは、デトロイトショーを欠席した日産やポルシェ、スズキ、三菱なども参加するという「大手メーカー勢揃い」である。
しかし、いまだに高い失業率に悩まされているアメリカ市場では、自動車産業界全体に活力が感じられず、そうした社会事情がこのニューヨークショーの各ブースの展示にも現れていた。
米系、日系の自動車メーカー各社関係者も、筆者の「今回のショーを、どう思うか?」との問いに対して、「目玉がない」「元気がない」というネガティブな返答が数多く聞かれた。
そうした厳しい状況のなか、ワールドプレミアを中心として各社の動向を見ていきたい。
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