“美しさの境地”に到達したメルセデス・ベンツ 新型Eクラスクーペに試乗
- 筆者: 大谷 達也
- カメラマン:メルセデス・ベンツ日本
“優雅な美しさ”を代々継承してきたメルセデス・ベンツ Eクラスクーペ
およそ50年の歴史を有する“メルセデス・ベンツ Eクラス クーペ”に代々受け継がれてきたもの、それはスタイリングの優雅な美しさだと思う。
ボディを真横から見たとき、Aピラー上端から始まるサイドウィンドウのラインは、後ろにいくに従って芸術的ともいえる曲線を辿って下降し、まるで水平線に沈んでいく夕陽のような自然さでサイドウィンドウの下側を流れるラインに吸い込まれていく。
その、どこにも無理のないひとつながりの曲線は、高名な画家が描くひと筆書きの作品にも似た高貴さと息を呑む美しさが同居している。最新のEクラス・クーペにも、それとまったく同じ芸術性が備わっている。いや、美しさの新たな境地に到達したといってもいいくらいだ。
そのポイントは、サイドウィンドウを左右に長く伸ばすとともに天地方向にも厚みのあるデザインとすることで、まるで4ドア・ハードトップのような開放感と、ルーフやCピラーがごく薄く見える繊細さを生み出したことにあると思う。
これまでと異なるデザインを持つ、新型Eクラスクーペ
実は新型Eクラス・クーペには、これ以外にも最近のメルセデスと大きく異なるデザイン上の特徴がある。
それは、これまで上下2本の組み合わせとされてきたボディサイドのキャラクターライン(ボディパネルを鋭く折り曲げて作った装飾的なラインのこと)のうち、上側の1本が省略されて下側1本だけとしたこと。
そして、従来は上側のキャラクターラインがあったショルダー部分をなだらかな曲面で構成として微妙で繊細な陰影を生み出し、なんともいえないふくよかさと優しさを表現した点にある。
ちなみに、ゴードン・ワーグナーがチーフデザイナーに就任して以降のメルセデス・デザインは、キャラクターラインを2本設けるという厳格なルールが存在していたが、新型Eクラス・クーペ以降はこの規則がやや緩和されるらしく、Eクラス・クーペとは反対に上側だけにキャラクターラインを描いたモデルなど、様々なバリエーションが登場すると見られている。
新型Eクラスクーペの日本導入モデルは
2017年春にヨーロッパで発売された新型Eクラス・クーペは、E220d/E200/E300/E400 4MATICの4モデル。
E220dは4気筒2.0リッターディーゼルで、E200とE300はどちらも4気筒2.0リッターガソリンエンジンを積むものの、E300はE200より60ps近くも最高出力が大きいハイパワーバージョン。
これら3モデルはいずれも後輪を駆動するのに対して、V6 3.0リッターガソリン・エンジンを積むE400 4MATICだけは4輪駆動となる。なお、ギアボックスはいずれも9速ATの9G-TRONIC。
2017年中頃と予想される日本導入時には、E300とE400 4MATICの2モデルがラインナップされるという。ちなみに日本仕様のE400 4MATICは、本国ではオプションのエアサスペンションが標準装備となる見通しだ(E300は金属バネ式サスペンションの公算が大)。
過去のメルセデスのイメージとは異なるハンドリングを楽しめる
そんな快適性の高い足回りながら、ハンドリングにも妥協が見られないのが嬉しいところ。
メルセデスといえば、昔はちょっとハンドルを切ったくらいでは反応しないおっとりとしたセッティングが“リラックス派ドライバー”には好評だったけれど、いまではコンピューター制御の高度な運転支援装置が装備されたこともあって、ハンドルを操作した初期の反応をダルにせずにドライバーのエラーを救える安全性を確保。おかげで切り始めから的確に反応する小気味いいハンドリングとなった。
エンジンはE300で十分にパワフル。E400 4MATICだったらさらに余裕の走りが楽しめる。どちらも低速域から力強く、しかもターボエンジンとしてはアクセルを踏んでからパワーが立ち上がるまでの遅れが比較的少ないので、走りやすさは文句なし。
ただし、E300は4気筒ゆえの軽い振動を感じることもあったので、Eクラス・クーペの豪華な雰囲気を満喫したいならE400 4MATICのほうがお勧めといえるだろう。
[TEXT:大谷達也]
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