マツダ CX-7 試乗レポート
- 筆者: 松下 宏
- カメラマン:原田淳
スポーツカーとSUVをクロスオーバー
マツダは少し前までトリビュートをラインナップしていたが、現在ではSUVを持たない数少ないメーカーになっていた。日本はともかくアメリカ市場ではSUVが良く売れているだけにSUVをラインナップする必要があり、このCX-7とひとつ上のCX-9の2車種の開発を進めてきた。CX-9は大きすぎてさすがに無理だが、CX-7なら日本でも販売が可能と見て国内市場向けに投入することになった。ただし、販売目標台数は月間で380台とかなり控えめな数字である。
CX-7はマツダが作ったSUVらしくスポーティさが特徴で、スポーツカーとSUVをクロスオーバーさせて作られている。CX-7という車名も、Cはクロスオーバー、Xはマツダがスポーツカーに付ける記号(RX-7やMX-5など)で、7はマツダのラインナップの中での車格を示すものとされている。
搭載エンジンは直列4気筒2.3LのDISIターボのみ、これに電子制御6速ATが組み合わされ、駆動方式は電子制御4WDのほかにFFの2WDが設定されている。
マツダならではのスポーツカー感覚のデザイン
CX-7は外観デザインもいかにもスポーティな印象だ。フロント回りのデザインはフェンダーの張り出しなどがRX-8などと共通するイメージがあり、SUVの力強さとスポーティさを融合させたものに仕上げられている。
サイドビューは大きく傾けたAピラーが大きな特徴。これがスポーツカー以上にスポーティな印象を与えるとともに、後方に行くに連れて絞れ込まれるサイドウインドウもスポーツカー感覚のものだ。逆に18インチの大径ホイールや膨らみを持たせたフェンダーなどはSUVの安定感を感じさせる。
インテリア回りのデザインもSUVというよりはスポーツカー的な感覚の強いものとされている。運転席に乗り込むとすぐに目に入る3本スポークのステアリングホイールはロードスターと共通のもので、これがスポーティさを示すものとなる。
ボディサイズは全幅が1800mmを大きく超えるなど、かなり大柄なもので、これによって室内には前後とも十分な居住空間が確保されている。
自然吸気エンジンにも似た気持ち良さを併せ持つDISIターボエンジン
搭載される2.3LのDISIターボはすでにMPVにも搭載されているもので、直噴仕様のエンジンにターボを装着することで、効率の良いエンジンとなっている。パワー&トルクの数字は175kW(238ps)/350N・mという実力で、自然吸気エンジンに換算するなら3.5L級のエンジンに相当する。
実際に走らせて感じるのは、これがターボなのかという印象だ。ターボを装着したエンジンは、ともすればアクセルを踏んだ瞬間の反応が鈍く、回転が上昇して排気の圧力が高まってからターボの効き出しが感じられるようなラグが生じがちだが、このDISIターボではアクセルを踏み込むとすぐにトルク感を感じることができ、それが回転の上昇に伴って気持ち良く伸びて行く。自然吸気エンジンにも似た気持ち良さだ。
組み合わされる6速ATも変速ショックが少なくて、マニュアル操作に対するレスポンスも良い。走りに関してはとても気持ちの良いクルマといえる。足回りはちょっと硬めの味付けで、これもスポーティな味が表現されている。車高の高いクルマにありがちなふらつく感じがない割に乗り心地も悪くない。
大排気量エンジンモデルを上回るほど良く走るSUV
CX-7はアメリカ市場でハリアーやムラーノと競合するモデルとなる。当然ながら日本でもこれらのクルマにCR-VやRAV4なども含めて競合することになると思う。これらのクルマはいずれも全幅が1800mmを超えており、今ではこれが世界標準というかアメリカ基準となっているのだが、さすがに日本では扱いにくさを感じるシーンも多くなる。最小回転半径が5.7mと大きいことも含め、出かける先の駐車場事情なども考慮しておく必要がある。
逆にCX-7が良いのは良く走るSUVである点だろう。このクラスのSUVではV型6気筒の大排気量エンジンを搭載する例も多いが、2.3LのDISIターボでそれを上回る性能を確保できるなら、いろいろな意味でメリットがある。このクラスのクルマを買う人にはあまり気にならないかも知れないが、年間の自動車税も安上がりになるからだ。
このほか上級グレードのクルージングパッケージではレーダークルーズコントロールやプリクラッシュセーフティなどの最新の安全装備も用意されるこれも魅力の要素だ。
愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!
-
一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?
これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。
-
一括査定は本当に高く売れるの?
これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。