ランドローバー フリーランダー2 試乗レポート

ランドローバー フリーランダー2 試乗レポート
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ランドローバーの末っ子モデルがより上質に

イメージ
フロントスタイルリアスタイル

ランドローバーは1940年代後半から60年以上も4WD車だけをつくり続けてきたメーカー。本格的なオフロードモデルだけでなく、レンジローバーなど現在のSUVの先駆けとなる高級、高性能4WD車も70年代から手がけている。

そのランドローバーが97年に新しいジャンルのSUVとして発表したのがフリーランダーだった。ボディサイズは現行のスズキエスクードクラスだったがインテリアは本革や木目を用い、コンパクトだがプレミアムなSUVだった。このモデルはデビュー以来、欧州では5年間もトップセールスを記録した。

フリーランダー2は、2代目として07年6月にデビューした。ランドローバーのエントリーモデルだが、2代目はボディを大型化し、兄貴分のディスカバリーに近い内容を持つSUVに仕上がっている。オン、オフロード性能はこれまで以上に向上、しかし車両価格は390万円から、と抑えられた設定だ。

力強さと都会的なクールさが両立したデザイン

インパネ
フロントシートリアシート

新型フリーランダー2のボディサイズだが、全長はホンダCR-Vクラスなので、扱いやすい。全幅は1.9m。これはハイラックスサーフクラスだ。しかし、室内は広い。理由はフロントに搭載される6気筒エンジンは直列6気筒。それを横置きにしているのでエンジンルームは小さく、室内に余裕があるのだ。インテリアは直線を中心にしたデザインで旧型のイメージを踏襲している。

低めのドアウィンドラインと高めのドライビングポジションはランドローバー車に共通のポジション。ルーフは最上級のHSEにダブルガラスサンルーフを標準装備にしている。

HSE、SEはDVDナビゲーションシステムやオーディオリアコントロールが標準、MP3、iポッドの入力端子は全グレードに備わる。

エクステリアはレンジローバースポーツのイメージを感じさせる。力強さと都会的なクールさが両立したデザインといえる。外板色は8色、シートは6種類、トリムカラーは3色が用意されている。

ややかためだが、快適な乗り心地

エンジン
タイヤメーター

直列6気筒の横置きエンジンは3.2L、232馬力。国産の同クラスSUVよりもハイパワーだ。ミッションはマニュアルシフトモード付の6速AT。マニュアルシフトはフロアシフトレバーで行なう。

直6エンジンは2500回転あたりからトルクが盛り上がり、アクセルレスポンスもよくなる。Dレンジで急加速すると6400回転まで上昇してシフトアップする。エンジン音は2500回転あたりからうなり音が高くなるのだが、高速道路での100km/h巡航は1800回転、5速にシフトしても2200回転にすぎない。

6速ATはキックダウンで若干タイムラグは大きめだが、不快な動きや音は発生しなかった。

ハンドリングはきりこむと初期にユラッと傾くがそこからの踏んばりは粘り強く、不安はない。初期ロールが大きいのはランドローバーの特徴でもある。乗り心地はややかためだが、上下動のキツさもなく、快適だった。

テレイン・レスポンスシステムをはじめとする多彩な電子デバイス

走行テレイン・レスポンスシステム

オフロードに持ちこんでのフリーランダー2は、ランドローバー車の末っ子とはいえその実力の高さを存分に見せつけた。

まず走行システムは路面状況に合ったクルマの状態を電子デバイスを統合制御し、自動的につくり上げる。テレイン・レスポンスシステムと呼ばれるこのシステムはオンロード/草・砂利・雪/泥・轍/砂地の4つの走行パターンをダイヤルで選択できる。

フルタイム4WDは電子制御センター・カップリングを採用、ホイールスピンした瞬間に制御が働くのが特徴。フルタイム4WDの前後輪配分は60~70対40~30という割合だ。

さらに急な下り坂で有効なヒル・ディセント・コントロールの性能も向上。テストコースではアクセル、ブレーキを使わずに急な下り勾配を歩くようなスピードで下りきった。さらに急勾配で急にブレーキペダルをはなしても徐々にブレーキパワーをゆるめるシステムも備わっている。ストロークのたっぷりしたサスペンションは、乗り心地もよく、路面への追従性も素晴らしい。

不慮の荒天候時にも心強い安全性

フロントグリルリアランプ

ドライビングポジションを低くしても、ボンネットの隅までよく見えるボディは、1.9mという車幅の広さを感じさせない。室内はヘッドスペースもたっぷりしており、しかも上品な色使いは、ドイツやアメリカ、日本のSUVにはない雰囲気。

イギリスの高級車ジャガーのXタイプと同じリバプールの工場で生産されていることが、この上質感につながっているのだろう。

リアシートはクッションもソフト。着座位置も高めで、視界がとてもよい。HSEのダブルサンルーフを開けると、まるでサンルームにいるような心地よさだ。

リアシートは6対4で座面ごと折り畳むこともできる。リアシートをフラットにするとラゲッジスペースはかなり広くなる。

カタログを見ると水深50cmまでは走破できるようなので、ファミリーカーとしての遊びの範囲は拡がる。さらに不慮の荒天候時の安全性も、このクルマなら心強そうだ。

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石川 真禧照
筆者石川 真禧照

1947年東京都生まれ。1970年日刊自動車新聞社入社。翌年同社退社後、フリーの自動車評論家となる。1982年「I.W.OFFICE」を設立し、自動車を中心としたメディア活動を開始。「自動車生活探検家」として、『GORO』『DIME』(小学館)、『HOT DOG PRESS』(講談社)、『カーセンサー』(リクルート)など多数のメディアで活躍、現在に至る。日本モータースポーツ記者会会員。日本自動車ジャーナリスト協会副会長。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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