ランボルギーニ ウラカン 海外試乗レポート/大谷達也(1/2)
- 筆者: 大谷 達也
ガヤルドの後を継ぎ、ブランドの間口を広げるモデル
地を這うように低いボディ。ボンネットとフロントウィンドウが一直線に連なったモノフォルムデザイン。そして、まるで巨大なホイールに薄く巻き付けられただけのように思える極太のピレリ・タイヤ。ウラカンがスーパーカーであることは見間違えようがない。そして、あの名車カウンタックの血を受け継ぐランボルギーニ家の一員であることも、ひと目見るだけで理解できるはずだ。
ランボルギーニのニューモデル、ウラカンはガヤルドの後継モデルとして誕生した。2003年にデビューしたガヤルドはその後の10年間で1万4022台が生産され、ランボルギーニ史上、もっとも成功したモデルとされる。
いっぽう、ランボルギーニは2011年にアヴェンタドールを発売。最高出力700psの6.5リッター自然吸気V12エンジンを搭載し、最高速度は実に350km/h(!)に達するこのアヴェンタドールが、現在はランボルギーニのフラッグシップモデルとして君臨している。
つまり、ウラカンはガヤルドの後を継ぐと同時に、ランボルギーニ・ブランドの間口を広げ、イメージリーダーであるアヴェンタドールを側面からサポートする役割が求められているのだ。それだけに、ランボルギーニの名にふさわしい高性能モデルであるのはもちろんのこと、多くのファンに受け入れてもらえる扱いやすさ、親しみやすさを兼ね備えていることが要求されたと想像される。
サスペンションの性能をフルに引き出すのANIMA(イタリア語で“魂”)システム
ウラカンのエンジンは排気量5.2リッターの自然吸気V10をキャビン後方に搭載している。いわゆるミドシップだ。
最近はダウンサイジングコンセプトといって、小排気量エンジンにターボを組み合わせたパワーユニットが主流になっている。このほうが燃費を改善するには有利だが、ランボルギーニはあくまでも自然吸気の素直な特性、そしてマルチシリンダーのシャープな吹き上がりを重視して、この時代に敢えて大排気量NAエンジンを新開発した。最高出力は610ps。しかも、この大パワーを8250rpmという超高回転で実現している。マルチシリンダー・エンジンならではの過激なキャラクターといえるだろう。
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