ジャガー Xタイプ 試乗レポート
- 筆者: 小川 フミオ
- カメラマン:保坂明
ジャガー的パラドクス。
このクルマがいいのは、上級モデルに対して装備が見劣りしないところだ。
ボディ色はオプションを含めて12色もあるし、内装には6色が用意されている。さらに追加のお金をはらえば、スライディングルーフ、レザーシート、シートヒーター、CDチェンジャーなど、好みに合ったものが選択できるようになっているのもいい。
コクピットまわりは、「Jゲート」のATセレクターを含めて、上級サルーンにかなり近い雰囲気がある。これが魅力の第一点。
第二点はよく走ることだ。エンジンは低回転域からしっかりトルクの出る設定で、トランスミッションとのマッチングもよく、トルクが目立って落ち込む領域はない。つまり力強い加速が味わえる。ステアリングもすなおで、スポーティさではBMWに負けるものの、パサートには勝っている。
加えて、大きな魅力が乗り心地で、このクラスではピカイチともいえる。かつてジャガーXJサルーンのサスペンションセッティングの絶妙さを「猫足」と形容することがあったが、それともまた違う、軽量ゆえの、あたりのやわらかい、なんだか夢のような心地よさだ。
全体の仕上がりは、フルタイム4WDの上級車種にまさるとも劣らないもので、435万円の「2・5」より、賢い買い物のような気がするほどだ。
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