攻めの姿勢が鮮明に!フォードはGoogleと「自動運転」で連携するのか?
- 筆者: 桃田 健史
- カメラマン:フォード
グーグルとの関係について否定も肯定もしなかった
「なぁ~んだ、何も言わないんだ」。
フォードの記者会見の直後、集まった多くのメディアの中から、ため息が漏れた。
ラスベガスで開催中の、世界最大級のITおよび家電の見本市CES2016で、「フォードがGoogle(グーグル)と自動運転」での連携を発表する。CES開催前から、アメリカのメディアではそう囁かれていた。そんな情報を頼りに、日本の新聞やテレビ局もこの記者会見に参加していた。
会見の進行役を務めたのは、フォードの最高経営責任者(CEO)のマーク・フィールズ氏。フォードがマツダの親会社だった頃、マツダの社長に就任したことで、日本でも“知られた顔”だ。
30分間の記者会見中、フィールズ氏は、「皆さんの関心が高い自動運転について、弊社の最新状況をお知らせしたい」と発言。メディアは当然、「ここでグーグルの登場か!?」と思った……。
ところが、話の内容は、フォードがこれまでおこなってきた自動運転の実証試験についてだった。
2007年、米国防総省の先進計画局(DARPA)が実施した「DARPAアーバンチャレンジ」に、フルサイズピックアップトラック「F150」をベースとした車両で参加。2013年からは、米ヴェロダイン社のレーザーレーダー(通称ライダー)を採用した、4ドアセダン「フュージョン」を使い、フォード独自の走行実験を繰り返しているという。
注目される「今後の話」については結局、具体的な名称が出ることはなかった。会見の内容にしびれを切らしたメディアは、会見の終了直後に、フィールズ氏の「囲み取材」で「グーグル」という名前を出して質問を繰り返した。
それに対して、フィールズ氏は、「弊社が独自で進める案件もあるが、当然、パートナーと連携することも十分に有り得る」といった“玉虫色”の答えに終始した。
そもそも、メディアが、「フォードとグーグルが自動運転で連携する」可能性を指摘した理由は、ジャック・ラッシュ氏の存在があるからだ。
ラッシュ氏が率いるラッシュエンジニアリングは、アメリカで人気ナンバーワンのモータースポーツNASCARで、フォードの実質的なファクトリー・ワークスチームとして活動してきた。
そのラッシュエンジニアリングが、二人乗りの小型自動運転車「グーグルカー」のプロトタイプを製作している。予定されているプロトタイプの台数は100~150台とみられる。こうした“ラッシュつながり”で、フォードとグーグルが自動運転で手を組むはずだ、という噂が立ったのだ。
今回、フィールズ氏がグーグルとの関係について、否定も肯定もしなかったことで、「グーグルとの話は進んでいる」と見るメディアが多い。
自動運転よりもインパクトが大きかったフォードの会見
会見中に「グーグル」という固有名詞が出てこなかったことで、メディアたちは「がっかり」した。
その反面、「フォードの勢いには驚いた」というメディアの声が多い。
なぜならば、フォードがクルマの未来に対して、アグレッシブな複数トライを同時に進めるからだ。カーシェアリング「GoDrive」の拡張、細かい道の走行用にEVバイクを搭載した運送車の開発、アマゾンと連携した家のなかで使う音声認識技術の開発、さらに、災害被害地での情報収集や被災者支援などのためにドローンの活用など、「クルマからモビリティ(移動体)」へシフト、または「所有から供給」へのシフトにフレキシブルに対応する戦略を次々に打ち出したからだ。
長年にわたり、「フォード=コンサバな会社」というイメージが強かった。だが、自動車産業の大変革期を迎えた今、フォードの「攻めの姿勢」が鮮明になってきた。
グーグルとの自動運転はもとより、近い将来、世界のメディアがあっと驚くような“フォードがらみ”のニュースが登場しそうだ。
[Text:桃田健史]
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