アウディ R8 試乗レポート(2/3)

アウディ R8 試乗レポート
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“レーシング技術”と“アウディ品質”の融合

「目的はパワフルなスポーツカーを作る事。しかも、そこに高品質なエレガンスを与える事」――R8のデザイン開発は、そうした趣旨に沿って行われてきたという。

高性能車のシンボルでもある大きな開口部を備えたフロントマスクは、当然ながら昨今のアウディ車に共通して用いられる“シングルフレーム・グリル”をメインとしたデザイン。かくして、アウディ車の一員である事を遠目にも明確にアピールしながらも、同時に大胆なワイド&ローのプロポーションにより典型的なスーパースポーツカーらしさも演じるのが、R8の基本的なスタイリングの特徴だ。

4,435×1,905mmという全長×全幅に対し、全高はわずかに1,250mm。ホイールベースは2,650mmで、ドアから後輪ホイールハウスまでの大きめスペースによる間伸び感を、“サイドブレード”と呼ぶアクセント・パネルで巧みに回避を試みるのはなかなかユニークなテクニックだ。

ボディ・リアエンドの造形も印象的。“エア・アパーチャー”と呼ばれるテールレンズ下の左右大きな開口部は、フロント部分の造形を明確に反復させたデザイン。三次元の立体感が与えられたコンビネーション・ランプは、発光部がすべてLED製でいかにも未来的な光を放つ。

フロントのスポイラー部分からフロントフェンダーを駆け上がり、ショルダー、さらにはテールエンドを経由して再びフロント・スポイラーへと戻る“ループ”と称されるボディ全周に渡るキャラクター・ラインは、アウディならではのクワトロ・フルタイム4WDコンセプトのシンボルとして4つのホイールに視覚的なフォーカスを与えるもの。夜間にはまるでアイラインのごとく点灯するヘッドライト・ユニット内のLEDランプによる光の演出は、このR8のみならずこれから先に登場するアウディ車に共通をする新しいアイデンティティとして提案されるものという。

ところで、R8のボディ・デザインが空気力学を大いに意識したものである事は、このクルマが最高300km/hを超える最高速の持ち主である事を考えれば当然だろう。空気抵抗係数=Cdが0.345という値は、それ自体突出して素晴らしい数字とは言いがたい。が、特筆すべきはそんなこのボディがマイナスの揚力、すなわちダウンフォースを発揮する事。100km/hを超えると姿を現し、35km/hを下回ると格納されるリアのスポイラーは、そうした優れた空力性能と平常時のエレガントなルックスを両立させるための大きなアイテムだ。

かつて初代TTクーペが、独特の滑らかなボディシルエットを重視してリア・スポイラーの装着を嫌い、結果、超高速時のスタビリティ性能に問題を抱えた事はまだ記憶に新しい。低速時は滑らかなボディラインを演出しながらも高速時になると必要な空力性能を確保するR8のリトラクタブル式スポイラーは、決してギミックではなくデザインと性能の両立をすべく生み出されたファンクショナルなアイテムというわけだ。

また、普段は目にする機会のないアンダーボディまでをほぼ完全に覆ったフラットボトムを採用したのも、このクルマのエアロダイナミクスに対する並々ならぬ情熱が感じられる。エクステリア・デザイン上の効果は果たす事が出来ないものの、こうした床下整流は抵抗の軽減のみならず、静粛性や操安性の向上にも寄与するというのが今や常識だからだ。

ところで、アウディ車に対する定評通り高いクオリティを示すインテリアのデザインが、既存の各モデルとの関連性をイメージさせるというのはすでに述べた通りだが、そんなこのモデルがこの種のスーパースポーツカーとしては異例と言えるほどの、ラゲッジのためのスペースを用意している点は、やはり前述を行った“everyday sports car”のコンセプトを強く意識している事を端的に証明する一例だ。

このモデルは、フロントフード下に100リッターという容量のトランクスペースを確保した他、シート背後にも90リッターの荷物置き場を用意。積み方に工夫をすれば「フルサイズのゴルフバッグ2セットを収納可能」という。実際にこのモデルでゴルフに出掛けようという気になるか否かは別問題として、大きめのアタッシュケース程度であればスマートにシート後方に収める事が出来るというユーティリティ性も見せるのが、このR8のパッケージングではあるのだ。

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河村 康彦
筆者河村 康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン(三栄書房)の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る

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監修者MOTA編集部

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