3.11の大渋滞はなぜあれほど酷くなったの?
- 筆者: 清水 草一
其の疑問、MJブロンディがお答えいたします!
リザーブさん、仮に渋滞の車内で猛烈なピンチが迫ってきたら、とにかくクルマから一旦降りることを考えてみてください。もちろん、降りれば助かるというものでもないですが、渋滞にはまっていると身動きが取れず、なにもできませんから……。
知り合いの親戚の女性(岩手県陸前高田市在住)は、大地震直後、大津波警報が出たため職場からクルマで逃げたものの、海から遠ざかる方面の道路は大渋滞でまったく動かず、仕方なく逆方向の、海沿いに山を登る道を選んで助かったそうです。多数の方が渋滞にはまったまま、津波に飲まれてしまったわけです。それを思うと慄然とします。
ところで東京の大渋滞ですが、これはある意味当然で、起こるべくして起きたものです。なにしろ、鉄道がほとんどすべて止まってしまった。移動手段はクルマとわずかなバスのみ。それでも、東京に通勤している人の7割はなんとか帰宅しています。
ふだん電車で通勤している人が、動かせるクルマがあれば相乗りしたり送迎してもらったり、あるいは徒歩や自転車などでなんとか帰宅したと思われます。
加えて、当日は首都高が全面的に通行止めになってしまった。首都高は、面積では都内の幹線道路の10%を占めるに過ぎませんが、交通量は30%を受け持っています。それが通行止めになれば、一般道は即座に交通量が30%増えることになります。
このふたつの要因が重なって、恐らく都内の一般道の交通量は、ふだんの2倍程度に達したのではないでしょうか。道路には交通容量というものがあり、もともと東京では、その容量ギリギリくらいのクルマが走っています。
この交通容量というヤツは不思議なもので、容量を5%越えるとたちまち渋滞が発生し、10%越えたらもう大渋滞になってしまうのです。それが100%増えてしまったらどうなるか?所要時間はふだんの約10倍レベルまではねあがります。
あの日の所要時間は、おそらくふだんの10倍くらいだったでしょう。なにしろ東京都内には、約1000万人もの人が通勤してきています。震災当日の東京の大渋滞の原因は、移動手段がクルマだけになってしまったこと。加えて首都高が通行止めになったこと。それに尽きます。
MJブロンディの「ひとりごと」
ちなみに首都高では、目安としては交通量が5%増えると渋滞は50%増え、交通量が10%増えると渋滞は100%増加、つまり2倍になります。交通容量ギリギリの混雑した道路では、少しクルマが増えただけで、渋滞は激増するのです。
逆に交通量が10%減れば、渋滞は消滅します。このところ首都高はほとんどガラガラ状態ですが、それは震災の影響で経済活動が低下して、例年より交通量が10%くらい減っているからだと思われます。
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