欧州車に比べて国産車の排気量が大きいのはなぜ?

欧州車に比べて国産車の排気量が大きいのはなぜ?
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欧州車に比べて国産車の排気量が大きいのはなぜ?

はじめまして。以前から気になっていたことをお聞きします。

国産のメーカーって欧州車に比べて、車体よりエンジンが大きい気がするのですが・・・。たとえばBMW 3シリーズは2,000cc~、国産だとクラウンが2,500cc~。何か税金とか、メーカーの考えの違いとかあるのですか?

私としてはクラウンやマークX、レガシィ等で2,000ccクラスがあると嬉しいんですけど(にんにん)

其の疑問、「MJブロンディ」がお答えいたします!

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確かにその通りですね。昔から欧州車には、どのクラスにもかなり小さなエンジンがラインナップされています。日本には導入されませんでしたが、BMW 518i(1,800cc)のような、ビックリするほどの小排気量バージョンもありました。

理由としては、まず日本と欧州のクルマの使い方の差が大きいと思います。

欧州ではクラスを問わずマニュアル車が中心でした。近年は上級車を中心にオートマチックのシェアが急上昇していますが、いずれにせよ「エンジン性能を使い切る」という運転の仕方が一般的です。おばあちゃんドライバーでもしばしばアクセル全開、エンジンをレッドゾーン手前までブチ回してフル加速!という走り方をします。

そうやって走れば、エンジン排気量が小さくてもクルマの流れについていける。だから値段の安い小排気量モデルでいい。そういう考え方のユーザーが結構多いんです。

また、たとえばフランスやイタリアでは、排気量ではなく二酸化炭素排出量や馬力によって自動車税額が決められています。金額の差が結構大きいので、昔から小排気量志向が強いという面もあります。

日本やアメリカでは、アクセルを床まで踏むなんてことは一生せず、余裕を持って走りたいユーザーが大多数。そうすると、トルクに余裕のある大排気量エンジンが好まれます。

特に上級車種ではこの傾向が強く、89年に2リッターを分岐点とする「5ナンバー」と「3ナンバー」の自動車税額の差が大幅に小さくされてからは、大排気量志向が非常に強くなりました。

メーカーとしては売れ筋に集中したいので、上級車種の場合、あまり売れない小排気量モデルはラインナップから落とされてしまったわけなんです。

MJブロンディの「ひとりごと」

ヨーロッパを旅するときは、大抵一番安いクラスのレンタカーを借ります。

そうすると排気量は1,000ccから1,300cc(当然マニュアル)です。それをひたすらブチ回して走ります。イタリアでオペル・コルサ(日本名ヴィータ)の1,000ccモデルを借りた時は、ひたすらアクセル全開、アウトストラーダを常に最高速(せいぜい160キロ)で爆走しました。

それでもカーブでは2リッタークラスのアウディやBMWも追い回せました。欧州には、「排気量は気合と情熱でカバーできる」という現実が確かにあるのです。

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

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