【最小回転半径】小回りが効くクルマの目安って?
- 筆者: 清水 草一
- カメラマン:小平寛
【最小回転半径】小回りが効くクルマの目安って?
クルマを駐車する時、どれくらい小回りがきくかは重要だと思います。
よく、クルマのカタログの「最小回転半径」に4mとか5mとか書いてあるのですが、実際にどのくらい小回りが効くのかよくわかりません。なにか目安になる数字はあるでしょうか。
その謎、私がおもしろ可笑しくお答えいたします。
最小回転半径とは、車の前輪外側のタイヤが回れる半径のこと。実際に曲がる時は、ボディ前部の角が一番外側を通るので、正確な数字ではないけれど、比較数値として十分参考にはなる。
この「最小回転半径」が5.5メートル以下のクルマなら、駐車や取り回しで特に苦労することはないと思っていい。5メートルを切っていればすごく小回りがきくと感じる。
さらに、4メートルちょっとだと「コマのように回れる!」と感じるよ。
逆に6メートルに近いと、駐車でちょっと苦労する。6メートルを超えてると、かなりのテクニックが必要になってくる。最小回転半径を決めるのは、ホイールベース(前後タイヤの間隔)、トレッド(左右タイヤの間隔)、タイヤサイズ、そしてハンドルの最大切れ角だ。
ハンドルの切れ角を除くと、すべて小さい方が小回りがきく。ただ、この3つが小さいと走行安定性は下がる方向に向かうから、バランスが大事だな。
ハンドルの最大切れ角は、前輪に駆動機構のない後輪駆動車(FR)の方が、前輪駆動車(FF)や4WD車よりも大きくできる。ベンツの大型セダン Sクラスが意外と小回りがきくのは、後輪駆動の優位性をフルに生かして、タイヤが深く切れるように設計しているからなんだよね。ただ、ボディがデカいから、現行Sクラスの最小回転半径は5.8メートルで、小回りが得意とまでは言えないけど。
清水草一の「ひとりごと」
僕がこれまで買ったクルマの中で一番小回りがきいたのは、ダイハツ エッセ。
最小回転半径4.2メートルで、どんなに入り組んだコインパーキングでも楽勝だったし、どこでもUターンできる気がしたな。
逆に一番小回りがきかなかったのはフェラーリ512TRで、最小回転半径6.3メートル。
パワステもナシだから、駐車はキツかった。自宅の車庫に入れるのがかなり大変で、つい乗るのがおっくうになって、とうとう「パワステのついてるフェラーリが欲しい!」と思ってF355スパイダーに買い替えたくらいだ。
正直、最小回転半径6メートル以上のクルマは、たとえパワステ付きでも、日本ではあまり実用的じゃないね。