スバル インプレッサ デザイナーインタビュー/富士重工業デザイン部シニアデザイナー 中村真一(1/4)
- 筆者: 森口 将之
- カメラマン:オートックワン編集部
日本ではあまり大きく取り沙汰されないカーデザインという分野。当然カーデザイナーも同じである。
日本は自動車先進国でありながら、現代の若者の自動車離れは加速度を増す一方だ。そこでオートックワンは、クルマの楽しみ方の一つに“デザイン”という、もう一つの分野が存在することを、多くの若者に認識してもらおうと考えた。
このクルマは誰が、どんなコンセプトのもと、どんな想いで、デザインを行ったのか。話題のクルマを監修したデザイナーに、オートックワンが一早くクローズアップ。一線で活躍するデザイナー達による、その造形に託した熱いメッセージを、インタビューで解き明かす企画、
それが、DESIGNERS ROOMである。
4代目インプレッサ シニアデザイナー中村真一氏にクローズアップ
第42回東京モーターショーで正式発表された4代目スバル・インプレッサは、伝統の水平対向エンジンを搭載したFWDと4WD、サスペンション形式など、旧型から受け継いだ部分が多い。それどころか、5ドアと4ドアが選べるボディは、5ドアについて言えば、全長と全幅まで変えていない。
しかしデザインはまったく違う。ボディサイズやエンジン、シャシーを基本的に据え置きながら、ここまで変えた理由はどこにあったのか。
1996年に富士重工業にデザイナーとして入社以来、レガシィのインテリアなどを担当した経験を持ち、今回新型インプレッサのデザインのまとめ役を担当した中村真一氏に話を伺った。
インプレッサは、思い切ったデザインを試せる車種のひとつ
オートックワン(以下AO):インプレッサはいままで、7〜8年ごとにモデルチェンジをしてきましたが、今回は4年振りという短いインターバルでの全面変更になりました。デザインを進めるうえでも大変だったのではないかと思うのですが。
中村氏(以下N):いままでのインターバルだと、世の中のニーズに応えていけないのではないかと思いました。特に2008年に新型の開発をスタートしようとしたときには、いろいろな面で状況が変わりつつありました。環境対応がそうですし、リーマンショックもそうでした。それと社内的にはレガシィが大型化して、お客さんの中から「大きすぎる」というご意見もいただいていたので、短期間で仕上げなければならないという体制は最初から取っていました。
AO:今回のモデルチェンジでは、全長と全幅を旧型と変えていませんが、これも最初から決まっていたことですか?
N:レガシィという兄貴分の存在を考えると、サイズを変えないことは納得できました。ダウンサイジングの動きがあって、それによる魅力や価値にも気づいていましたし。このサイズならではの表現ができると考えていたのです。
インプレッサは、スバルとしてはカジュアル感があって、思い切ったデザインを試せる車種のひとつだし、自分たちの年齢層に合ったクルマという意味ではやりやすかったです。逆にレガシィは年齢層が高くなるし、スバルの大黒柱なのでプレッシャーがあります。
AO:旧型からどこをどう変えようと思ったんでしょうか。
N:旧型は若々しくてカジュアルというインプレッサの個性を全身で表現していました。レガシィの格下という位置関係を保つのが大前提だったのです。でも今回はその立ち位置が多少崩れても、今のお客さんが欲しいものをストレートに投げ込んでいこうという意志で取り組んでいました。レガシィを超えてしまう部分があっても止むなしだと。
AO:具体的にレガシィを超えてもいいと考えた部分はどこですか?
N:例えばインパネのクオリティです。私は現行レガシィのインテリアも担当していたので、レガシィでやっていないレベルを入れることには抵抗があったんです。コストの制限もレガシィより厳しいわけだし。
でも結果的には、レガシィには付いていなくてもお客さんが欲しいモノは欲しいという結論になり、その要求に応えていくことになったんです。だからデザインも、クオリティが表現しやすい方向にシフトしています。
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