ベタープレイス、世界初のバッテリー交換式EVタクシープロジェクト開始
ベタープレイスは、経済産業省・資源エネルギー庁の「平成21年度 電気自動車普及環境整備実証事業(ガソリンスタンド等における充電サービス実証事業)」の一環として、東京最大手のタクシー会社である日本交通と共同で、世界初となるバッテリー交換式電気自動車(EV)タクシーの実証運用を開始することを発表した。7月末日まで約90日間におよぶ本プロジェクトに引き続き、年内にはイスラエルにおいてベタープレイスのEVソリューションのすべてを対象にした包括的なテストを実施する予定としている。
ベタープレイス・ジャパン代表取締役社長 兼 アジア・パシフィック代表の藤井清孝は、「東京には約6万台のタクシーが存在しますが、これはロンドン、パリ、ニューヨークのタクシー台数を合わせた数を上回っています。航続距離が長く、街中で目に触れることの多いタクシーでの運用は、EV技術のマスマーケットへの導入を促進させることになるでしょう。本プロジェクトを発表して以来、C2の排出や都市の大気汚染を削減する手段としてタクシー車両にEVを導入することに、世界中の都市から賛同の声が届いています。政府のみならず交通手段の電気化で利益を得ることのできる業界にとっても、EVラクシーは推進すべきプロジェクトです」と述べた。 ベタープレイスと日本交通は、今回のプロジェクトで3台のバッテリー交換式EVタクシーを運行する。EVタクシーは六本木ヒルズナイに設置されたEVタクシー乗用乗り場から一般利用が可能。ベタープレイスは東京アールアンドデーと共同で、日産デュアリスをベースにデザイン、設計を行い、交換式バッテリーを搭載するEVタクシーへと改造。今回のプロジェクトは、昨年、横浜で実施された実証運用の成功を受けて、経済産業省・資源エネルギー庁からベタープレイスに委託された。
東京都港区虎ノ門に設置されたバッテリー交換ステーション(BSS)は、昨年、横浜で公開された交換システムと比べて著しく進化している。特徴となるのは、最適な温度管理のもとでバッテリーの保管と充電を行うこと。バッテリーの寿命と性能を最大に高めながら3台の車両のバッテリー交換を行うことができる。
またベタープレイスのインフラネットワークとバッテリー管理システムによって、EVタクシーの位置やバッテリーの状態をリアルタイムで把握することが可能。このシステムを用いることで、EVタクシーに搭載れたバッテリーの残量等の重要な情報を把握し、その情報を基にバッテリー管理、充電を最適化する。
東京で運行されるタクシーは1日約300キロ走行する。EVタクシーの長時間にわたる運行と営業を可能にするのは、バッテリー交換が最適であるとベタープレイスは考えている。バッテリー交換方式を用いると、既存のタクシーがLGPステーションで給油するよりも短い時間でフル充電されたバッテリーとの交換が可能。それによりEVタクシーの運転手に負担のかからない快適な航続距離の延長をもたらす。今回の実証運用では、実際のタクシー営業を行う中で、バッテリー交換にかかる時間、バッテリーの耐劣化性などの性能を検証する。
ベタープレイスは、2011年後半のイスラエルおよびデンマークの商業化開始に向けた準備をこれまで通り進めながら、本年ないに本ソリューションのすべての要素をイスラエルにおいてテスト運用する予定としている。
運行について
・2010年4月26日から7月31日まで
・バッテリー交換式電気自動車タクシー 3台
・六本木ヒルズのEV専用レーン(森タワー南エレベーター1階正面)から乗車可能
・平日は8時半から25時半、土日祝日は11時から19時の運行
※EVタクシーは電池残量の状況により目的地によっては、他の車両が手配される可能性があります。
バッテリー交換ステーションについて
・東京都港区虎ノ門1丁目19-4に設置
・EVタクシーのステーション入場からバッテリー交換、バッテリーのラックへの保管、充電まですべて自動で行われ、バッテリーの交換時間は約1分
・EVタクシーの位置、バッテリー残量や温度などをリアルタイムで把握し、バッテリー管理を最適化