ダッジ アベンジャー 試乗レポート

ダッジ アベンジャー 試乗レポート
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ダッジの日本市場戦略は功を奏すか

イメージ
フロントスタイルリアスタイル

ダッジはアメリカのカーブランドのなかでもキャデラックやシボレーに次いで歴史のあるブランドで1914年にスタートしている。現在ではクライスラー傘下に入っているが、独自の個性的なクルマづくりを実践し、アメリカ本国のファンは多い。

日本市場にも早い時期から進出していたが、ここ数年はニューモデルの投入はなかった。しかし、アメリカだけではなくヨーロッパ市場を意識したクルマづくりが日本市場にも受け入れられそう、ということで、07年夏から本格的にダッジブランドを展開している。

アベンジャーはヨーロッパ市場でも市販されているミドルクラスセダン。V6、2.7L、186馬力エンジンと、マニュアルシフトモード付4速ATを備えている。駆動方式はFF、4輪独立式サスペンションとプラットフォームは、最新の構造を採用しているダッジの世界戦略セダンだ。

全てにおいて強烈な存在感をアピール

リアウインドウ
インパネフロントシート

アベンジャーの特徴のひとつに、ボディスタイリングがある。それは、ほとんどが“ワル”なイメージだ。フロントマスクは太いクロームメッキの十字グリルに輝く4灯式ヘッドライト。バンパーはグッと張り出して存在を主張している。サイドに回りこむと、前後のフェンダーも力強くオーバーフェンダー気味だ。ウェストラインはリアウィンド後ろで一段グッとハネ上がる「キックアップ」デザインでトランクの上にはウィングが装備されている。ボディ素材もボンネットはアルミを用いるなど軽量化にも気を配っている。

ボディサイズは全長4.85m、全幅1.85mなので、国産セダンでは日産・シーマやホンダ・レジェンドの全長を10cmほど短くしたサイズ。日本でも持て余すことはないサイズだ。

インテリアは右ハンドル仕様が基本形。メタリック調のパネルがクールなイメージ。高級ではないが上質感のあるインテリアだ。アクセサリー類もかなり充実している。

快感な走りはアメリカンスポーツ直伝

走行
エンジンシフト

V6、2.7Lエンジンは2000回転からアクセルのレスポンスが良くなり、一気に6400回転まで上昇する。スタートから力強い加速を体感させてくれる。Dレンジでの0→100km/h加速は10秒台。スポーツセダンとしては合格の加速性能だ。4速ATはスペックだけ知ると、ちょっと物足りなく思う人もいるかもしれない。しかしDレンジでの100km/h走行は2000回転。マニュアルモードで5000回転まで引っぱると、1速60、2速 100、3速160km/hまで使える。巡航も加速も十分に楽しめるのだ。

エンジン音は3500回転から高まるが、その音質はスポーティサウンド、やや乾いたサウンドはアメリカンスポーツのイメージだ。

ハンドルは重め。切り込んだときの反力はFF車らしさを体感できる。乗り心地も固め。上下動は低・中速ではキツめ。高速になるとやや動きは大きく、乗り心地も良くなる。これはヨーロッパ車的なセッティングを感じた。

魅力ある充実装備は、まさにおススメの1台

フロントグリルエンブレム

アベンジャーのカタログを見ていると、アクセサリー類が充実している。

オートエアコン、フロントシートヒーター付のレザーシート、7インチディスプレイのHDDナビゲーションシステム、DVDプレーヤー、メモリースティック、ミュージックサーバー(MP3、WMR対応)、さらに安全装備としては、サイドエアバッグやサイドカーテンエアバッグが標準装備になる。

アベンジャーの車両価格は413万7000円。これはボディサイズで同クラスのシーマやレジェンドよりも低価格だ。しかも、アクセサリー類の充実ぶりも見のがせない。

もちろんボディスタイルの好みはさまざまだが、この押し出し感の強さはかなり魅力的だ。ボディカラーも8色揃っており、ブルーやオレンジはダッジらしいカラーといえる。

ちょっと大きめのセダンで、スポーティなクルマを捜しているなら、1度実車に乗ってみるとよいだろう。

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石川 真禧照
筆者石川 真禧照

1947年東京都生まれ。1970年日刊自動車新聞社入社。翌年同社退社後、フリーの自動車評論家となる。1982年「I.W.OFFICE」を設立し、自動車を中心としたメディア活動を開始。「自動車生活探検家」として、『GORO』『DIME』(小学館)、『HOT DOG PRESS』(講談社)、『カーセンサー』(リクルート)など多数のメディアで活躍、現在に至る。日本モータースポーツ記者会会員。日本自動車ジャーナリスト協会副会長。記事一覧を見る

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