メーカー指定の空気圧がかなり高いけど大丈夫?
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メーカー指定の空気圧がかなり高いけど大丈夫?
空気圧の話ですが、今乗っている車(プジョー 407SW)ですが、指定空気圧が2.6との事。今までの車(ベンツ E240ステーション)では2.3くらいでした。
車重もあまり変わらないと思いますが、空気圧が高過ぎでは?本当にいいのでしょうか?(キラ)
其の疑問、MJブロンディがお答えいたします!
キラさんに指摘されるまで、プジョー407SWの指定空気圧がそんなに高いなんて全然知りませんでした。知り合いの407SWユーザーに確認したところ、4輪とも2.6、リヤに重い荷物を積んだ時は2.8が指定になっているようですね。私もこんなに高い指定空気圧は見た記憶がありません。
ただ、大丈夫かと言われれば、まったく大丈夫なので安心してください。
たとえば高速周回路で最高速テストをするときは、タイヤの空気圧を3.0くらいまで高めて行います。バンクでものすごい下向きのGがかかってタイヤがたわむため、それに耐えるべく空気圧を上げるわけです。そういう高い圧で過酷な最高速にチャレンジするのですから、2.6くらいの空気圧は、安全面ではまったく問題ナシ!と断言できます。
ただ、タイヤの空気圧を高くしすぎると、乗り心地などの実用面でデメリットが出てくるケースが多いので、全体の最適な妥協点として、指定空気圧が設定されているんですね。プジョー407SWは、すばらしく乗り心地のいいクルマです。
金属バネでシトロエンのハイドロ系サスに匹敵する浮遊感覚がある。私も大好きです。それが2.6という高い空気圧で実現されているということは、その裏にはプジョーならではの乗り心地のノウハウがあるに違いありません。
プジョーの兄弟会社のシトロエンのハイドロ系サス装着車は、昔から少し当たりが硬めのタイヤを使っていました。それを当たりがソフトなタイヤに交換すると、ピッチング周期などのバランスが崩れて、あの雲に乗ってるみたいな乗り心地がかえって損なわれてしまうんです。
プジョーも昔から「猫足」が伝統のメーカー。ダンパーの構造に独特のなにかがあるのでしょう。
MJブロンディの「ひとりごと」
そう言えば知り合いの407SWは、最近エコタイヤに履き替えて、乗り心地が大幅に悪化していました。「ドシン!バタン!」と、それまでの極上の世界が台無しになっていたんです。
燃費はかなり向上したそうですが、あれじゃせっかくのプジョーがもったいない。エコタイヤは基本的に硬いので、乗り心地が悪化するのは当然と言えば当然ですが、プジョーやシトロエンの場合、ミシュランの指定タイヤに完全に合わせこんで乗り心地をセッティングしているので、悪化の度合いが大きいようです。
プジョー407SWは、恐らくそのタイヤ銘柄のその指定空気圧がピンポイントなのでしょう。一種の「秘伝」みたいなものだと推察いたします。
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