【走行安定性】走行安定性の高いクルマってどんなクルマ?
- 筆者: 清水 草一
- カメラマン:原田淳
【走行安定性】走行安定性の高いクルマってどんなクルマ?
上級車のカタログを見ると、「抜群の走行安定性」とか「走行安定性が高いから長距離ドライブも快適」といったようなフレーズが、度々出てきます。
この走行安定性というのは、何か基準があるのでしょうか。どうやって選べばいいのでしょうか。
その謎、私がおもしろ可笑しくお答えいたします。
いきなり「走行安定性が高い」なんて言われても、そういうクルマに乗ったことのない人は、それがいったいどういうことなのか、サッパリ理解できなくて当然だ。
だいたい、「走行安定性が高い」というのは、いったい何が優れているの?と思われるだろう。
サスペンションなのか、ホイールベース対トレッド比なのか、ボディ剛性なのか、いったいどこに注目すればいいのかと。
しかし、そういった個々の数値では、とても判断できるものじゃない。走行安定性が高いというのは、たとえばプロ野球で言えば「優れたアベレージヒッター」みたいなもので、選球眼が良くてスイングが鋭くて足が速くて・・・というような総合力だからだ。
だからこそ、乗れば誰でもわかる。なにしろ、安心感が高いのだ。
なぜ安心感が高いのかというと、ハンドルやブレーキ、アクセルなどの操作に対する反応が正確で、思ったように走ってくれるから。ボディがよりしっかりしていて、守られているように感じたりもするだろう。
それは、わざわざ高速道路を走ってみるまでもなく、ディーラー試乗でちょっとそのへんを一周する程度でも、きっと理解できる。
走行安定性が高いクルマというのは、つまり、個々のスペックもさることながら、総合的な工作精度が高いクルマ、作りのいいクルマのこと。それは、具体的には形容し難いかもしれないが、「ああ、これはいいクルマだ」とは、誰でも感じるものだ。
おいしいものを食べた時と同じで、専門家でなくても必ずわかる。
どんなクルマも、高い走行安定性を目指して作られている。ごく一部の特殊なスポーツカーを除けば、いいクルマなら、イコール間違いなく走行安定性は高いと思っていい。
それは、試乗すれば必ずわかる。走行安定性の高いクルマの方が、長距離ドライブがラクチンなのは言うまでもない。