新車購入から12年11万キロ、エンジンがますますスムーズに感じられるのはなぜ?【教えて!MJブロンディ】
- 筆者: 清水 草一
新車購入から12年11万キロ、エンジンがますますスムーズに感じられるのはなぜ?
2.4Lのイプサムに乗っています。新車から約12年、110,000Kmを走っていますが、最近ますますエンジンがスムーズに回っているように感じます。
走行距離を重ねると逆に軽く回る傾向になったりするものなのでしょうか。オイル交換は6ヶ月に1回か5000kmで、モービル1の5W-30を使用。オイル交換2回に1回はフラッシングをしています。
其の疑問、MJブロンディがお答え致します!
Takechanmanさん、10万キロを超えてエンジンがますます軽やかに回るようになってきた、というわけですね。それは、ピストンリングの摩耗によるものかもしれません。
ピストンリングは、ピストンに巻きつくように装着され、燃焼室内の圧力を保つよう設計された部品です。ピストン本体は、シリンダーの内径よりも少し小さく作られているので、実際にシリンダー内部に密着するのは、幅の狭い数本のピストンリングだけなのです。ピストンリングは、シリンダー内壁に密着して上下に動きますから、いくらオイルで潤滑されていると言っても、長い年月のうちに摩耗していきます。
が、摩耗は悪いことばかりではなく、摩擦抵抗が減るという効果も生みます。ピストンリングの摩擦抵抗は、エンジン全体の摩擦抵抗の約4分の1を占めるとも言われていますから、ある程度摩耗が進むと、エンジンが軽くなったように感じるわけです。これだけなら特に問題はありません。
ただ、進行しすぎると圧縮が保てなくなり、パワーダウンが起きはじめ、同時にエンジンオイルが燃焼室内に残って、排気ガスに煙が混じったりするようになります。これがいわゆる“オイル上がり”です。Takechanmanさんのイプサムも、機会があったら、マフラーから煙が出ていないかどうかチェックしてみてください。出ていなければ、特に問題はないと思います!
スーパースポーツカーの世界では、エンジンが軽く感じるようになったら「消える寸前のロウソクのきらめきだと思え」という伝承があります(笑)。知り合いのカウンタックオーナーは、走行10万キロを超えた頃、「ますますエンジンが絶好調だ!」と言っていましたが、直後に失火が始まって、エンジンオーバーホールが必要となりました。その費用は数百万円に達しました。
イプサムの場合、カウンタックのようなデリケートな構造ではないですし、20万キロ以上の耐久性を持たせてあるはずですから、まだそんな深刻な事態には至っていないと想像します。
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