大型バスに「安全補助装置」は付いていないの?
- 筆者: 清水 草一
其の疑問、MJブロンディがお答えいたします!
関越道でのツアーバスの事故は、大変いたましいものでした。犠牲者のご冥福をお祈りするばかりです。
ところで、バスの衝突安全策は、どうなっているんでしょう?
まずボディの方ですが、国による衝突安全基準はなく、メーカー各社が独自の基準で作っているのが現状です。
しかし今回のように、防音壁に水平に衝突したことで、ボディがほぼ真っ二つに切れてしまうほどヤワであったことは衝撃でした。このあたり、国として基準作りに乗り出す必要があるでしょう。
最新のバス車両では安全対策も進んでいる!
車体のアクティブ・セーフティ化、すなわち予防安全対策は、徐々にではありますが進んでいます。
日野自動車の「セレガ」は、大型バスとして日本で初めて、全車にプリクラッシュセーフティシステムを標準装備しています。これは、乗用車のものと同様、ミリ波レーダーで障害物を捉え、事前に自動的にブレーキをかける装置です。
法の強制はないので、日野セレガがこれを標準装備にしたのは、メーカー側の責任感だけです。
また三菱ふそうでも、2010年から大型バス「エアロクイーン」「エアロエース」に、蛇行運転や車線を逸脱した際に警告音や警告表示をする機能を持つ運転注意力モニター「MDAS-III」を標準装備化しています。
いずれにしても、日本でもバスの安全に対する意識が向上しつつあるのを感じます。
「安全の基本はシートベルトから」は、自家用車のみにあらず!
といっても、つい少し前まで、日本におけるバスは、「ぶつからないもの」「事故を起こさないもの」が存在の前提でした。
バス乗車時のシートベルトの装着も、高速道路でこそ義務付けられ、シートベルトのない古いバスは、今は高速道路を走れないことになりました。
しかしそのシートベルトも、最前列を除くと2点式で良いとされています。これは、他の先進諸国に比べると遅れています。
また、シートベルトの装着自体が、事実上、客の自由意思に任されている状況です。
「シートベルトをしてください」とは書かれていても、強制はされないので、装着しないことが道交法違反であること自体を知らないか、見て見ぬふりをしている人が大部分でしょう。
我々に出来る最低限のことは「高速バスに乗ったらシートベルトを付ける」こと
習慣とは恐ろしいものです。
もう10年以上前のことですが、イギリスでタクシーに乗った時、私はシートベルトをするのを忘れました。当時の日本は、後席シートベルトの装着義務がなく、タクシーの後席でベルトをする人などほとんどいなかったからです(日本での義務化は2008年から)。 しかしイギリス人の運転手は、私に「シートベルトをしてください」と言い、装着を確認するまで発進しませんでした。
習慣になればなんでもないことですが、実はこれ、未だに日本では、完全に習慣になったとは言えませんよね。
警察も、客がシートベルトをしていないタクシーを、あえて取り締まってはいません。
多くの日本人は、今でも「バスは事故を起こさないし、シートベルトもしなくていい」という感覚を持っていると思います。
しかし、バスを運転しているのも人間なので、ミスを起こすこともあります。そしてそれは、鉄道や航空機に比べると、かなり高い確率です。
とりあえず我々にできることは、シートベルトをすることです。2点式では、上半身を前席にぶつけることになりますが、車外放出はかなりの確率で防げます。バスから車外に放り出されたら、まず助かりません。
もちろん今回の事故のように、車体がほぼ切断されるほど破壊されるようなケースでは、シートベルトもあてにはなりませんが、死ぬ確率を低くする手段だけは、講じておきたいものです。
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