トヨタ イプサム 試乗レポート

ミニバンユーザーの不満点をほぼ解決。

全長、全幅とも拡大され3ナンバーサイズとなったボディは、ホイールベースも90mm延長され、各シート間のゆとりが大幅に拡大。また、スペアタイヤを助手席下に移動することで、ラゲッジ床下にゴルフバッグがすっぽり収まる収納スペースを確保するなど、そのパッケージングは入念に煮詰められている。

やはり完全新設計のシャシは、先代でユーザーから指摘の多かった「コーナーでグラリと傾く感じ」を解消すべく、ジオメトリーの最適化やH∞TEMUSと呼ばれる減衰力可変ダンパーの採用などによって、ロールを効果的に抑制している。その乗り味は、ボディの高い剛性感のおかげもあって非常に引き締まった感触で、セダンライクな安心感の高いハンドリングに仕上がっている。乗り心地もフラットでこれまた悪くない。

さてもうひとつ、ぜひ強調しておきたいのが、その取り回しの良さである。ボディサイズが拡大しているにも関わらず、最小回転半径が先代同様の5.5mに抑えられている点は大いに評価したい。実際、ステアリングは思った以上に切れるから、狭い路地にも不安なく入っていけるのだ。また、車庫入れや縦列駐車を映像と音声でサポートしてくれる音声ガイダンス機能付バックモニターや、ノーズ先端のカメラがT字路などで車両左右の状況を写し出すブラインドコーナーモニターといった運転をサポートしてくれる装備の充実ぶりも嬉しい。