レクサス・デザインの生みの親、福市得雄氏の講演会に学生カーソムリエが潜入!/竹岡圭(2/2)
- 筆者: 竹岡 圭
- カメラマン:茂呂幸正・オートックワン編集部
福市氏の講演を終えて/学生カーソムリエの感想
▼東京大学 熊倉 健太さん
今回の講演は『デザインには企(わけ)があり、スタイルには意味がある。』という題で、主にトヨタ車のデザインという観点から進められました。人々が揃って「若者のクルマ離れ」という言葉を口にする現代において、当然今回の聴衆も全員が「クルマ大好き」な人種だったわけではないかと想像しますが、そういった方にもクルマのカッコよさや美しさを改めて意識させ、興味を持ってもらうのに絶好のテーマだったと思います。
中でも、変ではないけれども個性がない、と言われてきた同社の車種を(美しいが人としてのユニークさを前面に出さない)ファッションモデルに、一方で「キーンルック」と名付けられ個性を強く打ち出した昨今の車種をハリウッドスターに例えた説明には思わず納得させられました。
最後に、ご自身の体験を「失敗」と「挫折」に分けて語られており、「失敗をたくさんしろ、挫折はするな」という聴衆へのメッセージに深く感銘を受けました。
▼東京大学 木下 祐樹さん
私が福市得雄さんの講演会を通して特に印象に残っているのは、デザインの裏ワザとして紹介されていた、錯視とクルマのデザインとの関係です。普段テレビや書籍でよく目にするような有名な錯視が、実はグリルやフェンダーなどの外装やインパネなどの内装に実際に取り入れられている例をいくつも見せていただき、とても面白かったです。
また、世の中に影響を与えるために大切なのは、ただ単に美しいことだけではなく魅力的であること。それはデザインに限ったことではなく、例えば結婚した男女が互いに年老いて美しさを失っても一緒にいるのは、単なる外見だけでなく、その中に変わらない魅力が存在するからである、と語られていたのも、それまでの自分にはなかった視点だったのでとても興味深かったです。
▼東京大学 生方 貴さん
まず、事前に会場前で試乗会が実施されたi-ROAD(※)に関して。 今回初めて実物を拝見しましたが、想像していたよりも遥かに楽しそうな乗り物で、是非通学の足にしたいと思いました。気になる所としては、荷物積載容量と価格です。もしかするとi-ROADが電動自転車に取って代わる日が来るのかもしれないと考えると、わくわくします。楽しみです。
次に、講演会に関して。今回の福市氏の講演会で最も印象に残ったのは、“美しいよりも、魅力的であるほうがいい。”という言葉でした。格好良い言葉だと思います。僕個人としては不器用で、デザインなど、絵画の類いはからきしなのですが、この言葉に福市氏のデザインを生業とする者としての意識がはっきりとあらわれている、ということが講演を通じて分かりました。
また、デザインだけでなく生き方にも同じことが言えるのではないか、私もこれから人間としての魅力を高められるように日々頑張っていこうと思えました。この言葉を知った後に見るスピンドルグリルは、いつもより魅力的にみえます。 素晴らしい講演会、ありがとうございました。
※編集部注:今回は会場前でi-ROADの試乗会が実施されていたのですが、希望者多数のため残念ながら実際に試乗することは叶いませんでした。
▼東海大学 藏人 脩平さん
実は今回、本番の講演会開始前の時間で、福市さんの考えるデザインについて直接お伺いするという貴重な機会をいただくことができました。その中で一番心に刺さったのが「類似と統一感は違うもの」「同じようなデザインに落ち着いちゃダメだ」という言葉です。これは私の「デザインに携わる人として注意していることは何ですか?」という質問へのお返事として頂けた内容でした。
これについて福地氏は、他の高級車ブランドと比較しながらお話しをされ、「ドイツ車の同ブランドの車種同士は『類似』でなくて『統一感』として評価される。その差は『個々がカッコイイかどうか」にかかっていると思う」と説明して下さいました。続けて「イケメンだったら皆同じ顔でもカッコイイのがいいけど、ブサイクが全員同じ顔だったら嫌でしょ?(笑)」との補足も頂くことが出来、軽妙なトークにとても心奪われていました。
クルマ好きとして私も、近年登場する各ブランドの新型車は、法律やトレンドを意識しながらも個性を出そうとしているものの、「似ているなぁ。」と感じずにはいられない部分がありました。特にトヨタ車のデザインに関しては、個人的に消極的なデザインが目立ち、似たようなテイストの顔やカタチがあると感じていました。
ですが、カッコイイかどうかが重要なんだ。と、カッコイイかどうかというのは、ちゃんとデザインの評価軸に入っているんだ。と当たり前にも思えることが間近で福市さんから確認出来て、なんだか安心した、というのが率直な感想です。
その後の講演会では、トヨタのデザインとレクサスのデザインについて述べられ、今後のトヨタ・レクサスの「夢」のあるお話を聞くことができ、当日は嬉しさと新発見が多くある一日となりました。
実は、講演会でもう一つ、心に刺さる場面がありました。それは、福市さんの口から「壁ドン!」という、ここ最近の急上昇ワードが出てきた点です。まさかここで、そんなワードを聞けるとは思ってもなかったので、本当に意外でした。デザインに携わるということは、感性を豊かにし流行などにアンテナを張るということも重要で、福市さんはその点において、下手な若者よりもお若いのではないかと感じました。終始「カッコイイ大人だな」と感心させられっぱなしでした。
とても貴重な体験ができました。ありがとうございました。
▼日本大学 磯田 薫さん
福市さんのお話は、良い意味で「トヨタらしくない」内容で、そこが非常に印象に残った。中でも一番驚かされたのは、「従来のトヨタ車」と「これからのトヨタ車」そして「これからのレクサス車」をどうポジショニングしていくか、についての話だ。今まではマーケットインの考え方が強すぎたとして、これからはトヨタ・レクサス共にプロダクトアウトに振っていくと語る福市さんの口ぶりからは、強い決意が感じられた。
確かに、これまでのトヨタの車種からプロダクトアウトの考え方は見いだせなかったが、IQのパッケージングや86のパワートレーンなど最近の個々の車種からは「自分たちの考えを世に問う」というチャレンジが感じられる。トヨタのこと、デザインのこと、それらを越えたクルマ全体の話まで、クルマの未来について話す福市さんの姿が格好よく、非常に感化された時間だった。
まとめ
オートックワンのカーソムリエ学生、生形さん、熊倉さん、木下さん、蔵人さん、磯田さんが今回の講演に参加され、このような感想をいただきました。やっぱり伝聞で話を聞くよりも、生で福市さんのお話を聞いた皆さんからの反応は違いますね。今後もこういった機会をどんどん増やしていって欲しいなと思いました。
すぐさま若者のクルマ離れの特効薬にははらないかもしれませんが、若者が今後歩んでいく人生に多大な影響を与えるのは間違いなさそうです。私も若いころにこういうお話聞きたかったなぁ~。
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