レクサス・デザインの生みの親、福市得雄氏の講演会に学生カーソムリエが潜入!/竹岡圭(2/2)

  • 筆者: 竹岡 圭
  • カメラマン:茂呂幸正・オートックワン編集部
レクサス・デザインの生みの親、福市得雄氏の講演会に学生カーソムリエが潜入!/竹岡圭
福市氏、竹岡圭さんと学生カーソムリエ達 福市氏、竹岡圭さんと学生カーソムリエ達 福市氏と学生カーソムリエ達 福市氏と学生カーソムリエ達 福市氏と学生カーソムリエ達 福市氏と学生カーソムリエ達 学生カーソムリエ 熊倉 健太さん(東京大学) 学生カーソムリエ 生方 貴さん(東京大学) 学生カーソムリエ 磯田 薫さん(日本大学) 学生カーソムリエ 藏人 脩平さん(東海大学) 福市氏の講演を聞く学生カーソムリエ 画像ギャラリーはこちら

現役東大生とのディスカッションも

福市氏と現役東大生によるディスカッション

福市さんの講演の終了後に、東大生とのディスカッションが設けられておりました。

選ばれたのは、工学系研究科 化学システム工学専攻修士1年生の関栞さん、経済学部経営学科4年生の山田一樹さん、経済学部経営学科4年生の河上友紀さんの3名。

「いつデザインを考えているのか?」「欧州で日本のデザインは通用するのか?」「途中でこれは違ったと思った時はどうするのか?」「福市さんがカッコイイと思うクルマは?」「理系とデザイン系では真逆な感じだが何か理論があるのか?」などなど、率直なために厳しくもユニークな質問が飛び交いました。

福市氏の講演を終えて/学生カーソムリエの感想

▼東京大学 熊倉 健太さん

学生カーソムリエ 熊倉 健太さん(東京大学)

今回の講演は『デザインには企(わけ)があり、スタイルには意味がある。』という題で、主にトヨタ車のデザインという観点から進められました。人々が揃って「若者のクルマ離れ」という言葉を口にする現代において、当然今回の聴衆も全員が「クルマ大好き」な人種だったわけではないかと想像しますが、そういった方にもクルマのカッコよさや美しさを改めて意識させ、興味を持ってもらうのに絶好のテーマだったと思います。

中でも、変ではないけれども個性がない、と言われてきた同社の車種を(美しいが人としてのユニークさを前面に出さない)ファッションモデルに、一方で「キーンルック」と名付けられ個性を強く打ち出した昨今の車種をハリウッドスターに例えた説明には思わず納得させられました。

最後に、ご自身の体験を「失敗」と「挫折」に分けて語られており、「失敗をたくさんしろ、挫折はするな」という聴衆へのメッセージに深く感銘を受けました。

▼東京大学 木下 祐樹さん

私が福市得雄さんの講演会を通して特に印象に残っているのは、デザインの裏ワザとして紹介されていた、錯視とクルマのデザインとの関係です。普段テレビや書籍でよく目にするような有名な錯視が、実はグリルやフェンダーなどの外装やインパネなどの内装に実際に取り入れられている例をいくつも見せていただき、とても面白かったです。

また、世の中に影響を与えるために大切なのは、ただ単に美しいことだけではなく魅力的であること。それはデザインに限ったことではなく、例えば結婚した男女が互いに年老いて美しさを失っても一緒にいるのは、単なる外見だけでなく、その中に変わらない魅力が存在するからである、と語られていたのも、それまでの自分にはなかった視点だったのでとても興味深かったです。

▼東京大学 生方 貴さん

学生カーソムリエ 生方 貴さん(東京大学)

まず、事前に会場前で試乗会が実施されたi-ROAD(※)に関して。 今回初めて実物を拝見しましたが、想像していたよりも遥かに楽しそうな乗り物で、是非通学の足にしたいと思いました。気になる所としては、荷物積載容量と価格です。もしかするとi-ROADが電動自転車に取って代わる日が来るのかもしれないと考えると、わくわくします。楽しみです。

次に、講演会に関して。今回の福市氏の講演会で最も印象に残ったのは、“美しいよりも、魅力的であるほうがいい。”という言葉でした。格好良い言葉だと思います。僕個人としては不器用で、デザインなど、絵画の類いはからきしなのですが、この言葉に福市氏のデザインを生業とする者としての意識がはっきりとあらわれている、ということが講演を通じて分かりました。

また、デザインだけでなく生き方にも同じことが言えるのではないか、私もこれから人間としての魅力を高められるように日々頑張っていこうと思えました。この言葉を知った後に見るスピンドルグリルは、いつもより魅力的にみえます。 素晴らしい講演会、ありがとうございました。

※編集部注:今回は会場前でi-ROADの試乗会が実施されていたのですが、希望者多数のため残念ながら実際に試乗することは叶いませんでした。

▼東海大学 藏人 脩平さん

学生カーソムリエ 藏人 脩平さん(東海大学)

実は今回、本番の講演会開始前の時間で、福市さんの考えるデザインについて直接お伺いするという貴重な機会をいただくことができました。その中で一番心に刺さったのが「類似と統一感は違うもの」「同じようなデザインに落ち着いちゃダメだ」という言葉です。これは私の「デザインに携わる人として注意していることは何ですか?」という質問へのお返事として頂けた内容でした。

これについて福地氏は、他の高級車ブランドと比較しながらお話しをされ、「ドイツ車の同ブランドの車種同士は『類似』でなくて『統一感』として評価される。その差は『個々がカッコイイかどうか」にかかっていると思う」と説明して下さいました。続けて「イケメンだったら皆同じ顔でもカッコイイのがいいけど、ブサイクが全員同じ顔だったら嫌でしょ?(笑)」との補足も頂くことが出来、軽妙なトークにとても心奪われていました。

クルマ好きとして私も、近年登場する各ブランドの新型車は、法律やトレンドを意識しながらも個性を出そうとしているものの、「似ているなぁ。」と感じずにはいられない部分がありました。特にトヨタ車のデザインに関しては、個人的に消極的なデザインが目立ち、似たようなテイストの顔やカタチがあると感じていました。

ですが、カッコイイかどうかが重要なんだ。と、カッコイイかどうかというのは、ちゃんとデザインの評価軸に入っているんだ。と当たり前にも思えることが間近で福市さんから確認出来て、なんだか安心した、というのが率直な感想です。

その後の講演会では、トヨタのデザインとレクサスのデザインについて述べられ、今後のトヨタ・レクサスの「夢」のあるお話を聞くことができ、当日は嬉しさと新発見が多くある一日となりました。

実は、講演会でもう一つ、心に刺さる場面がありました。それは、福市さんの口から「壁ドン!」という、ここ最近の急上昇ワードが出てきた点です。まさかここで、そんなワードを聞けるとは思ってもなかったので、本当に意外でした。デザインに携わるということは、感性を豊かにし流行などにアンテナを張るということも重要で、福市さんはその点において、下手な若者よりもお若いのではないかと感じました。終始「カッコイイ大人だな」と感心させられっぱなしでした。

とても貴重な体験ができました。ありがとうございました。

▼日本大学 磯田 薫さん

学生カーソムリエ 磯田 薫さん(日本大学)

福市さんのお話は、良い意味で「トヨタらしくない」内容で、そこが非常に印象に残った。中でも一番驚かされたのは、「従来のトヨタ車」と「これからのトヨタ車」そして「これからのレクサス車」をどうポジショニングしていくか、についての話だ。今まではマーケットインの考え方が強すぎたとして、これからはトヨタ・レクサス共にプロダクトアウトに振っていくと語る福市さんの口ぶりからは、強い決意が感じられた。

確かに、これまでのトヨタの車種からプロダクトアウトの考え方は見いだせなかったが、IQのパッケージングや86のパワートレーンなど最近の個々の車種からは「自分たちの考えを世に問う」というチャレンジが感じられる。トヨタのこと、デザインのこと、それらを越えたクルマ全体の話まで、クルマの未来について話す福市さんの姿が格好よく、非常に感化された時間だった。

まとめ

オートックワンのカーソムリエ学生、生形さん、熊倉さん、木下さん、蔵人さん、磯田さんが今回の講演に参加され、このような感想をいただきました。やっぱり伝聞で話を聞くよりも、生で福市さんのお話を聞いた皆さんからの反応は違いますね。今後もこういった機会をどんどん増やしていって欲しいなと思いました。

すぐさま若者のクルマ離れの特効薬にははらないかもしれませんが、若者が今後歩んでいく人生に多大な影響を与えるのは間違いなさそうです。私も若いころにこういうお話聞きたかったなぁ~。

おわりに

本企画は、学生がインタビューや試乗会などに参加し、学生の目線で自動車の魅力を発信していく 『学生カーソムリエ』企画の一貫として実施いたしました。

詳しくはこちらよりご覧ください。

前へ 1 2

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

検索ワード

竹岡 圭
筆者竹岡 圭

OLを経て、自動車専門誌を皮切りに、モータージャーナリスト活動を開始。国内外のレース、ラリーなど自らモータースポーツ活動に関わりながら、海外のモーターショーを精力的に回るなど、なにごとにも積極的に取り組んできた結果、近年は一般誌、女性誌、Web媒体、新聞、TV、ラジオなど、その活動はとても多彩なジャンルに広がっている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

レクサスの最新自動車ニュース/記事

レクサスのカタログ情報 レクサスの中古車検索 レクサスの記事一覧 レクサスのニュース一覧

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる