「ユーロ6」を日本へ!/河村康彦のコラム(2/2)
- 筆者: 河村 康彦
ハイレベルな日米欧の排ガス規制にはもはや大きな違いは無い
絶対的に少ない販売台数のために日本に向けて専用の排ガス対策を行おうというのは、確かに敷居が高いだろう。そして、EUでは2014年9月から新発売されるディーゼル車に、さらに厳しい規制値(ユーロ6)が適用される事が決定済み。
ところが、その「ユーロ6」の規制内容は、2009年10月から日本で発売された車に適用している「ポスト新長期」の規制値であるPM(粒子状物質)0.005g/km、NOx(窒素酸化物)0.08g/kmと、実は奇しくも同数値なのだ。
こうなると、「『ユーロ6』に適合のヨーロッパのディーゼル車は、そのまま日本で売れるじゃない!」と喜びたくなるところだが、実はこれがそうは行かないという。両者の排ガス測定のモードが異なるため、将来的にも欧州での適合車がそのまま日本のテストをクリアするとは行かないようなのだ。
それではと日本での“再試験”が必要になれば、わずかな台数の販売しか見込めないモデルは、恐らく日本導入を諦めてしまうだろう。
特に、現地ではガソリンモデルに乗る人の方が稀で、ディーゼルモデルこそが主流というフランス車などは、結局日本で“本来の本場の味”を知る機会が失われる事になってしまいそうだ。
各国には各国の事情があるのは分かる。「自らの決め事こそ、自らの市場に相応しいもの」という意見も道理だろう。しかし、事実として「ユーロ6」にも「ポスト新長期」にも共通するのは「もはや排気ガスは十分にクリーン」という事柄であるはず。
となれば、これまでの規制導入への時間的猶予に変わるものとして、「『ユーロ6』適合車は、日本の排ガス規制もパスしたとみなす」という新たな特例が設けられても良い時代ではないだろうか?
そもそも、狭い国土の中に7社も8社も乗用車メーカーがひしめくこの日本で、それでも輸入車を手にしたいと思わせるのは、遥々数千kmもの彼方から運ばれて来るそうしたモデルが備える、日本車にはない味わいがあればこそ。
現実には日本と同レベルの規制を問題なくクリアするにもかかわらず、日本車にはない大きな魅力を備えたディーゼル・モデルを市場に導入出来ないという事態は、もはや事実上の“非関税障壁”にも匹敵するのではないだろうか。
だからこそ、「日本にも『ユーロ6』車を!!」と今の時点で、ボクは声を大にしたいと思う。
長い年月を掛けて取り組み、いずれも極めてハイレベルにまで達した日米欧の排ガス規制への対応には、もはやこの期に及んでわずかな数値の違いを指摘しあう意味合いなど存在しないのだから。
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