KTM「X-BOW(クロスボウ) GT」海外試乗レポート/嶋田智之(2/3)

KTM「X-BOW(クロスボウ) GT」海外試乗レポート/嶋田智之
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ダラーラとの共同開発で生まれた、公道を走られるフォーミュラカー

KTM「X-BOW(クロスボウ) GT」KTM「X-BOW(クロスボウ) GT」

KTM X-BOWの構造を簡単にいえば、カーボンモノコックタブにアルミ製のリアフレームをジョイントし、ミッドシップにアウディから供給を受けたエンジンを搭載。モノコックは、そこに取り付けられたプッシュロッド式サスペンションも含めて剥き出しで、スタイリングを決定づける空力パーツ兼用の樹脂製パネルがそこにマウントされる、というかたちだ。基本構造はフォーミュラマシンのようなものなのだ。

それもそのはず。車体の設計にはレーシングカーコンストラクターの老舗であるイタリアのダラーラが共同開発で加わっている。当然のごとく空力テクノロジーも満遍なく導入されていて、車体の下面を完全にフラットにして車体を路面に吸い付かせる構造を採り、ボディのパネル類も空気の流れを利用して車体を路面に押し付けるようデザインされている。リアウイングなど突っ立てなくても、充分なダウンフォースを稼ぎ出しているのである。

ちなみにオートバイ好きならお気づきになるだろうが、X-BOWのスタイリングは、KTMのオートバイからと全く同じ世界観でデザインされている。当然である。オートバイ全般はもちろん、社屋やカタログなどKTMのデザインに関わる全てを担うジェラルド・キスカがスタイリングデザインを手掛けているのだ。

窓が備わっただけでこんなに快適

KTM「X-BOW(クロスボウ) GT」

オートバイならネイキッドのスーパースポーツのような「X-BOW」の乗り味は、デビューと同時に高い評価を受けた。新興メーカーが失敗しがちな各部の品質の高さとスポーツカーとしての総合的なパフォーマンスの高さが、ほぼ完璧に満たされていた。が、問題がないわけじゃなかった。何ひとつ耐候装備がなかったのだ。それどころかフロントウインドーすらなかったのである。小さな整流スクリーンで顔面を直撃する風圧は抑えられていたが、飛んでくる小石までは避けられない。出先で雨に降られたら濡れるしかない。サーキットや峠道を堪能するには刺激が大きくていいけれど、とてもロングドライブに出る気にはなれない。

そこをクリアするために追加されたのが、今回の“X-BOW GT”だ。フロントウインドーと跳ね上げ式ドアのようなサイドウインドーが備わり、オプションで100km/hまで耐えられる簡易型のソフトトップも用意された。

KTM「X-BOW(クロスボウ) GT」

それだけのことで、X-BOWの快適性は驚くほどに増した。100km/hを軽く超える速度のクルージングでもほとんど風は巻き込まず、窓が備わったことによる耳障りな風切り音も全くない。試乗の途中で小雨に見舞われたのだが、60km/h以上で走ってさえいれば、顔に雨粒が当たるようなこともなかった。X-BOWならではの大きな開放感はだいぶ薄まっただろうと予想していたが、窓の角度が比較的立っており、ガラスの上端に余計な縁がなく透明なままだから、開放感は全くといっていいほど削がれていなかった。ウインドーの高さもラウンドの具合も、そして視覚的にも、よく考え抜かれているのだ。

こうなると、X-BOWが持つこの手のスポーツカーにしては異例なほど乗り心地がしなやかという美点が生きてくる。それに加えて風圧と戦う必要がなくなったことで疲労もかなり軽減でき、意外や快適にロングドライブをこなせるクルマへと変身したわけだ。

[次ページへ続く]

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嶋田 智之
筆者嶋田 智之

本人いわく「ヤミ鍋系」のエンスー自動車雑誌、『Tipo』の編集長を長く務め、スーパーカー専門誌『ROSSO』の総編集長を担当した後、フリーランスとして独立。2011年からクルマとヒトに照準を絞った「モノ書き兼エディター」として活動中。自動車イベントではトークのゲストとして声が掛かることも多い。世界各国のスポーツカーやヒストリックカー、新旧スーパーカー、世界に数台の歴史的な名車や1000PSオーバーのチューニングカーなどを筆頭に、ステアリングを握ったクルマの種類は業界でもトップクラス。過去の経歴から速いクルマばかりを好むと見られがちだが、その実はステアリングと4つのタイヤさえあるならどんなクルマでも楽しめてしまう自動車博愛主義者でもある。1964年生まれ。記事一覧を見る

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