横浜ゴム 新スタッドレスタイヤ『ice GUARD5』試乗レポート/飯田裕子(2/2)

  • 筆者: 飯田 裕子
  • カメラマン:オートックワン編集部
横浜ゴム 新スタッドレスタイヤ『ice GUARD5』試乗レポート/飯田裕子
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バラバラな模様に見えて、実は規則性のあるトレッドパターン

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さらに、このタイヤはゴムより柔らかいホワイトゲルとゴムを低温でも柔らかく保つ効果のあるブラックポリマーⅡという成分が含まれている。

この相乗効果が温度低下に対してゴムの硬化を防ぎ、凸凹路面でも凹の隙間にまでタイヤが入り込み凹を埋めて接地性をキープしてくれるという。

そしてこのコンビが性能を長く持続することにも貢献。3年後の氷上摩擦指数は、アイスガード・トリプルプラスの1/3の性能低下に抑えられているのだそうだ。

これは経年劣化しやすいオイルに対し、前途のブラックポリマーⅡが効くらしい。何だかタイヤ(ゴム)というお肌に効果的に働きかける化粧品の説明を書いているみたいな気分になってくる。

加えて新マイクロ吸水バルーンはバルーンのカラの部分が氷路を引っ掻くエッジ効果をも生むらしい。なんと計算しつくされた役割分担だろう。

アイスガード5が二つの表情を持っているところも興味深い。表情とはタイヤのトレッドのパターンのことでIN側は氷上性能、OUT側は雪上性能と、走行シーンによって効く部位やパーツ(ブロック)が緻密に担当化しているらしい。

人間の筋肉みたいだ。いや筋肉以上に造形の見た目は複雑だ。

これほどバラバラな模様に見えるタイヤは初めて見た。しかし、一見するとバラバラだが、正確には規則性のある配置がされている。

新開発のタイヤでは先に説明をした素材の効果に加え、ブロックの構造やサイプ、溝などが立体的かつ構造的に走る、曲がる、止まるを具現化している。OUT側は氷上よりも速度が速くなる雪上走行で旋回性能や剛性感、操縦安定性などをキープ。IN側の氷路で路面と捉える力を高め、発進や停止に効果を発揮する。

これらの新技術&新素材の採用により、氷上でのブレーキ性能が約8%向上したそうだ。

激しい気温変化にも動じない、進化した性能

新スタッドレスタイヤ『ice GUARD5』

テストコースで発進や減速を旧型タイヤ(アイスガード・トリプル・プラス)と比較したが、圧雪路での発進のグッと雪を捉える感覚がいい。また微速~低速から減速(停止ではない)を行うようなブレーキ操作をした際、タイヤが氷路面を捉えて効く感じがより印象に残る。

説明を聞いた後だったからかもしれないが、吸い付くような感覚すら実感できた。

30km/hからフルブレーキで完全停止するまでの制動感もどちらも最初はスーッと滑走する感覚があり、その後は旧型タイヤより早めの段階から減速感が伝わってくる。氷上でのクルマは止まりそうでなかなか完全に止まってくれないのが常。しかし比べれば停止距離は短く、もどかしい時間も比例して短い。

雪上の直進走行についてはわずかな凹凸に載った際のハンドルのブレが少ないのもアイスガード5の特徴と感じた。

圧雪路のスラロームでは“曲がる”というアクションの反応の良さをハンドルの切り始めから感じられるところに安心感を抱く。

先代の性能も個人的には不満がないと思って次にアイスガード5で試すと、外に膨らむ動作が少ないのだ。パターン設計の妙、流石だ。FF、FR、4WDと様々なモデルでハンドリング路も走らせていただいたが、そこではやはり総合力の頼もしさが駆動方式とは関係なく感じられた。

冬場の気温変化は低温とは言え一日で、さらには数か月でかなり変化の激しい地域もある。アイスガード5はそんな環境下で温度と路面に動じない性能の進化が頼もしい。

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飯田 裕子
筆者飯田 裕子

OL時代に始めたレース活動をきっかけに、クルマへの興味/関心を深め、フリーの自動車ジャーナリストに転身。自動車雑誌への執筆や自動車系TV番組出演などから、活動の場を広げ、現在では女性誌および一般誌、新聞、Web、ラジオ番組でのパーソナリティ、TV、トークショーと活躍の場は幅広い。ドライビングインストラクターとしてのキャリアも長く、自動車メーカーをはじめ、一般企業、保険会社、警視庁などが主催するスクールでの指導にも定評あり。記事一覧を見る

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監修者MOTA編集部

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