トヨタ カルディナ 試乗レポート
- 筆者: 西沢 ひろみ
- カメラマン:芳賀元昌
ワゴンの王者に君臨するレガシィに、真っ向勝負を挑んだザ・ツーリングマシンの登場だ。
初代の誕生から10年、ミディアムクラスのワゴンの中核にあたるカルディナがフルモデルチェンジを受けた。開発コンセプトは「ザ・ツーリングマシン」。意のままに走れるパフォーマンスと刺激的なデザイン、ワゴンとしてのユーティリティを融合させた、新世紀のスポーツスペシャルティワゴンというわけだ。プラットフォームはプレミオ/アリオン用がベースだが、リアサスはセリカと同じダブルウイッシュボーンが奢られる。今回、初めてワゴン専用モデルとなり、スポーツ性を高める自由度が広がった結果だ。ボディ剛性も大幅に高められている。これは、191kwのターボパワーを受け止めるため。運動性能を重視したロングホイールベース&ショートオーバーハングのボディサイズは、先代より65mmほど全長が短い。
三角形をモチーフにしたデザインが内外装にあしらわれている。
初代&2代目カルディナのスタイルは、親しみやすいオーソドックスなワゴンフォルム。3代目は、一転して斬新な砲弾型を採用した。つり目のヘッドライト、三角形状のリヤクォーターガラス、細長い三角形のリヤコンビランプ…。まさにエキサイティングな個性派への大変身といっていい。確かに、レガシィの2LターボのGT系に対抗するには、大胆なモデルチェンジが必要だったのかもしれない。けれどもアグレッシブな方向性は、トップモデルのGT-FOUR だけでよかった気がする。ベーシックモデルの超個性化は、オーソドックスなワゴンを求めるユーザーが離れてしまうからだ。
スポーツムードあふれるインテリアは、やはり三角形をモチーフとしたセンターパネルが目を引く。シートはグレードによって3タイプが用意され、GT-FOUR“Nエディション”には専用のレカロスポーツシートが標準装備される。
ワゴンボディを忘れてしまいそうな、スポーツライクな乗り味だ。
イメージリーダーを担うのはGT-FOURだが、さらに専用装備を身にまとうのが“Nエディション”だ。フロントサスはトヨタ初の倒立型、リアサスはモノチューブ型のショックを採用。“トルセン”LSD、フロントコイルバネ付パフォーマンスロッド、スポーツABSが標準装備となり、4WDシステムも専用のフルタイム方式が組み込まれている。あいにく雨の中での試乗だったが、豪快な加速感と引き締められたフットワークの実力の片鱗に触れることはできた。おそらくドライ路面では、自慢に値する走行フィールを見せつけてくれるだろう。
中間グレードの2.0ZTは売れ筋モデルの位置付け。リーンバーンのD-4は、燃費を考慮したなりの加速感だが、オーソドックスなスタイルだったら何の不満も持たないはずだ。それなのに、なんとなく肩すかしをくらった気がするのは、刺激的なフォルムがどうしても速さを連想させるからだろう。段差を超えるときに硬さを伴う乗り心地も、標準で履く215/45R17インチタイヤ+7Jアルミが要因の気がする。デザインを優先しすぎて、ちょっとバランスが悪くなっている印象だった。
ワゴンとしてのユーティリティは十分に持ち合わせている。
旧型に対して、全長で65mm、全高で50mm、ボディサイズは小さくなっているものの、室内は必要十分な空間を確保しているばかりか、全体的に広くなったように感じる。全幅で20mm、ホイールベースで120mm、広がったおかげだろう。
ラゲッジスペースは、タイヤハウスの張り出しが抑えられたフラットデッキが自慢。荷室長は5名乗車時で 960mm、リアシートを倒せば最大1720mmまで広がる。6:4分割可倒式の後席はシートクッション引き起こし&シートバック前倒しのダブルフォールディング式だ。ラゲッジ内には6カ所にフックが用意され、両サイド&フロア下に物入れが設けられている。ワゴンらしい細かい気配りは、2 分割のトノカバーが床下に収納できることと、2分割のフロアの後側は裏面の樹脂面も使えるリバーシブル機構になっていること。汚れたり、濡れたりした荷物を積むときに便利だ。
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