”やっちゃえ”NISSAN！ 技術の日産が誇る多彩な4WDモデルを雪上で乗り比べてみた[試乗](4/4)

最新鋭FRセダンの雪道性能に迫る ～SKYLINE 200GT-t～

最後に雪道を走り回ったのは「スカイライン200GT-t Type P」だ。

ご存知のようにこいつは完全なRWD(FR)。FWDならまだしも果たして雪道でどこまで安定した走りを見せるのか、逆に興味が湧いた。

ところが見事にそれをこなす。理由は電子デバイスの制御力の高さだ。トラクションコントロールやABSをはじめとするあらゆるデバイスがかなりいい感じに働き、クルマの挙動を正そうとする。

ただ当然のこと4WDの走りまではいかない。轍でズルっとなるシーンは何度もあった。結果、ちょっとドキドキしながらも若干リアを滑らせるような走りを楽しめた。広い駐車場があれば大胆なアクセル操作で普段とは違う走りができたかもしれない。いくつかのデバイスをオフにすればなおさらだ。

このスーパーカーもヨンクです！ ～NISSAN GT-R～

という感じで、日産の現行ラインナップを雪上で走らせたのだが、ついでにいうと日産にはもうひとつヨンクシステムがある。

それはスーパースポーツカー「GT-R」に積まれる独立型トランスアクスル4WD。

そもそもこのクルマはリアデフとギアボックスを直結するトランスアクスル方式を採用しているので、これが採用された。あまり聞き慣れない言葉だが、機関的にはFWDベースのセンターデフを持たない4WDの前後逆バージョンともいえそうだ。

そしてそれをATTESA E-TSでうまい具合にトルク配分を制御する。

往年の本格クロカン四駆もせっかくだから・・・”やっちゃえ”NISSAN！？

以上のようにいまやヨンクはじつにいろいろな技術によって具現化されている。長年センターデフを持つジープを乗り継いできた立場からすれば、技術の進歩にただただ驚くばかり。

クルマをバックさせてデフロックしていた時代が懐かしい。

なんてことを考えると往年の本格クロカン4WD「サファリ」を思い出した。今一度サファリ復活！なんてことは……ないだろうなぁ。

[レポート：九島辰也]

日産 エクストレイルハイブリッド 20X HYBRID“エマージェンシーブレーキパッケージ”[4WD]　主要諸元

全長×全幅×全高：4,640×1,820×1,715mm／ホイールベース：2,705mm／車両重量：1,630kg／駆動方式：ALL MODE 4x4-i(四輪駆動)／エンジン種類：直列4気筒 DOHC ガソリン直噴エンジン／総排気量：1.997cc／最高出力[エンジン]：147PS(108kW)/6,000rpm／最大トルク[エンジン]：21.1kgf-m(207N･m)/4,400rpm／最高出力[モーター]：41PS(30kW)／最大トルク[モーター]：16.3kgf-m(160N･m)／動力主電池 種類：リチウムイオン電池／トランスミッション：エクストロニックCVT／燃料消費率：20.0km/L[JC08モード燃費]／タイヤサイズ(前後)：225/65R17／価格：3,011,040円[消費税込み]