日本にない日本車「日産 アルティマ」(2/2)
- 筆者: 桃田 健史
- カメラマン:桃田健史/日産自動車
アルティマ、マキシマ、そしてティアナ・・・日産Dセグ・セダン3兄弟が誕生した2000年代
2000年代に入り、「日産 アルティマ」と「マキシマ」は当時のFF-Lプラットフォームを共用する事実上の兄弟車となった。
そして2003年、「日産 ティアナ」が登場した。同車のデザイン開発は、台湾で日産が合弁事業をしていた(現在は日産の大手ディーラーの)裕隆汽車[ユーロン]内に設置された日産のデザインスタジオで基本構想が描かれた。この事実は、筆者が先日、NDC[日産デザインチャイナ・中国北京市]で同部門幹部から直接聞いて確認した。
中国、そして日本を含めたアジア圏での特化を目指した「ティアナ」は、北米市場重視の「アルティマ」、「マキシマ」とも事実上の兄弟車ながら、テイストとしては欧米/アジアの差を感じさせられたのだ。
そして2013年、次期「ティアナ」と「アルティマ」は統合されるのか?
さて、日産のCMFをご存知だろうか? これはコモン・モジュール・ファミリーの略だ。
クルマ全体を、エンジンコンパートメント、フロントアンダーボディ、コックピット、リアアンダーボディの4部位に分け、この順列組み合わせによって、セダン、SUV、ハッチバック、MPV(ミニバンなどのマルチパーパスヴィークル)を作り分ける設計・製造方法だ。2013年以降、世界市場で販売される日産、インフィニティ、さらにルノーの新型車で採用される。
このCMF導入は、世界市場で日産車ラインアップが統合されていくことを意味する。
そのなかで当然、「ティアナ」と「アルティマ」が事実上の同じクルマになることは、当然の成り行きだと思われる。
世界戦略Dセグメントセダンとして最良の答えは「ひとつ」しかない
その場合でも、「ティアナ」と「アルティマ」の名称統合は難しいと思う。
今回NYショーで「アルティマ」という名前を継承した。また4月23日の北京モーターショーでは、Cセグメント世界戦略車の新型「シルフィ」がワールドプレミア。その壇上の隣に「ティアナ」があった。中国で高い認知度を誇る「ティアナ」という名称を、中国での次期モデル導入時に、いきなり「アルティマ」とするとは考えにくいのだ。
日産はいま、日本、アメリカ、英国、そして中国の4箇所にデザイン開発拠点がある。それら各所で、それぞれのトレンドや文化を含んだグローバル車の開発を進めている。そうしたなか、日産が「ティアナ」、「アルティマ」に求めているのは、中国市場向きとか、北米市場向きとか、日本市場専用車といった”狭い了見”ではない。
目指すモノは、グローバルで通用する、”日本メーカーらしさを十分に含んだ、真のセダン”だ。
あの「ブルーバード」を原点として、世界各地向けに進化していった「ブルーバード・ファミリー」たち。時代は大きく変わり、これからは”ひとつのカタチ”に集約されていく。
”日本にない日本車”だった「アルティマ」は、次期「ティアナ」として日本でも、多くの人に愛されるセダンになるのではないだろうか。
愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!
-
一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?
これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。
-
一括査定は本当に高く売れるの?
これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。