日産 インフィニティ 海外試乗レポート(3/3)
- 筆者: 石川 真禧照
- カメラマン:日産自動車株式会社
“歴史を介して新を問う”日産のブランド姿勢
QX56もアメリカンモンスターだ。なにしろボディが大きい。全長は5.25m、全幅は2m、全高も2mもある。本物のアメリカンSUVよりも大きさの迫力がある。2004年にデビューし、昨年も年間1万3,000台近く売れている。
エンジンはVK56DE型。シーマやプレジデントの4.5Lの拡大版で、5.6L、320馬力。54.3kgmのトルクを3,600回転で発生する。車両重量は2.5トンをオーバーしている。まるで大型トラックのよう。ボディも大きい。トヨタのランクル100と比べても全長は30cm、全幅も5cm、全高も12cm大きい。
運転席に乗りこむにも、よじ登る感じだ。ところが、ハンドルを握り走り出すと、見晴らしがよく、ボディが比較的角ばっているので車幅がつかみやすいのだ。ちょっとクルマに慣れてきたら、結構狭い道にも入って行くことができた。
ただし、サスペンションはこの車重の影響か、コーナーでハンドルを切ると、車体はユラッと傾き、低速走行中にハンドルを左右にきるとユラユラと揺れる。ハンドリングはスポーティとはいえない。やはり、のんびりと流す、という走り方が合っている。
いかにもアメリカ的な大らかさが感じられるのは室内だ。QX56は3列シートを備えているが、セカンドシートは中央部が巨大なセンターコンソールになっており、左右1名ずつしか座れない。このセカンドシートは背もたれのみが可倒し、フラットな床面の荷室になる。ただし、リアの荷室からの奥行は1.1mなので、ミニのワゴン並み。サードシートも足元の床面が高く、ヘッドスペースも身長160cmが限度という狭さ。ボディサイズの割りに、スペース効率はよくない。それがアメリカンSUVなのだ。
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